「女子高生ブーム」とは何だったのか

こう文句を言っていたのである。正直、自分の世代がホメられるというのはどうでもいい話ではあるものの、彼女の気持ちも少しは分かる。女子大生というだけで、雑誌の座談会に出演して、お小遣い2万円也をもらえると目論んでいたのだが、それができなかったのだから。

しかも、時代は不況真っ盛りになり、割りの良いバイトもあまりなかった。家庭教師をしようにも、すでに少子高齢化は始まっており、同じ大学の学生と熾烈な競争があり、大学のある市内ではもはや仕事がなく、電車に乗って生徒の家へ行っていたのである。

あれから30年、ベビーブーム世代でもある氷河期世代は非正規雇用や無職も多く、完全に国から見捨てられたと感じている。IT社長等一部の成功者はいるが、多くは競争が激しくなかった世代に正社員になった年下よりも安賃金に甘んじている。日本はシルバー民主主義で、高齢者優遇の公約をする政治家が選挙に強い。じゃあお前らも選挙行けよ、となるが、「子育て支援をします!」のような公約をする候補者はいるものの「氷河期世代の雇用を増やします」なんて候補者は滅多にいない。

損な時代に生まれちまったものだ、と考える同世代も多いだろう。これを考えると大学生の時の同級生女性の「なんで私達が女子高生だった時に女子高生ブームがなくて、大学に入ったら女子大生ブームが終わってるのさ!」が蘇ってくるのである。(文@中川淳一郎 連載「俺の平成史」)