X JAPANベーシストHEATHさん逝く ドトールコーヒーで声をかけても応じる心優しきミュージシャン

HEATHさんの最後の表舞台となってしまったのは、8月20日開催のYOSHIKIディナーショー。HEATHさんはYOSHIKIのピアノ伴奏に合わせ、X JAPANの代表曲「Rusty Nail」をベースで演奏しました。 「どれだけ涙を流したら、、あの映像を見たら、やつれているし、歩き方も少しよろけています。義理堅く、優しいHEATHさんは、無理してゲスト出演なさったのかもしれません」

兵庫県尼崎市出身のHEATHさんは、10代の頃、PARANOIA(パラノイア)というメタルバンドで活動し、DEAD END等を輩出した関西メタルシーンの老舗レーベル「ナイト・ギャラリー」から1987年にアルバム「COME FROM BEHIND 」をリリースしました。

PARANOIAのボーカリストNOV (AIONでメジャーデビューし、現在はVOLCANOで活動)は、 「ショックが大き過ぎます。胃が痛くなりました。まだ、亡くなった実感が湧いてません。ご冥福をお祈りします。PARANOIAのステージでカッコよくベースを弾いていたHEATHの姿、 X JAPAN加入後に再会し、『元気?』と、声を掛け合ったこと、HEATHのファンクラブイベントでPARANOIAの曲をやろうと声をかけてくれて、久しぶりにステージで一緒に演奏したこと等、HEATHとの想い出が走馬灯のように 浮かびます。HEATHが大好きな若者と少し前に話す機会もありました」 と話しています。

著名なロックバンドの人気ミュージシャンでありながら、天狗になることなく、素顔は庶民派だった。行きつけのロックバーでよく遭遇した常連客は、退院して来店すると、『大丈夫ですか。心配しましたよ』とサラッと話していました。腕が噛まれるのが、好きな常連客からのリクエストで、照れ笑いしながら、腕を甘噛みするなど、サービス精神旺盛なキュートな方でした。 近所のドトールコーヒーで、昼に一人でコーヒーを飲んでいるのに遭遇したこともあります。 『おはよう御座います。モーニングコーヒーです』と人懐っこい笑顔で挨拶されました」

大阪のライブハウスに出演していた頃から 交友があったギタリストの屍忌蛇(しいじゃ) (VOLCANO、ex gargoyle、exANIMETAL) は、「GargoyleのCDジャケットで僕が履いていたウェスタンブーツはHEATHから頂きました。アクセサリーも頂きました。  HEATHとの楽しい想い出がたくさんあります。僕が泥酔して御堂筋の路上で大の字に寝てしまった時、HEATHが助けてくれなかったら、クルマに轢かれるところでした。命の恩人の優しい男です。もともとお酒が飲めなくて、ソフトドリンクを飲んでいましたが、X JAPANに加入してからYOSHIKIに鍛えられたようです。ご冥福をお祈りします」と偲びました。

最近、ロックミュージシャンの訃報が続く中、筆者が最も親しくさせていただいていた のが、HEATHさんでした。 アーティストとしての肖像権に関して、留意していらして、酒場等での撮影は禁止されていたので、写真は残っていないのが残念ですが。 LYNXのISSAYさん、X JAPAN解散時にDope HEADzというバンドで共に活動していたPATA(X JAPAN)等と共にドン・ペリニヨンを開けた夜等、HEATHさんとの想い出で涙が止まりません。 ご冥福をお祈りします。 (文@霜月潤一朗)