「夜は繁華街でバイト。ファンはみんなのもの」地下アイドルが語る…元ジャニーズ平本淳也が取材
出演者は100人以上という、一聞すると豪華で華やかさを連想させるステージだが観客はわずか20名ほどという乏しさ。都内のあちこちで開催されているアイドルたちのライブ・イベントである。アイドルといっても「地下」と呼ばれる女の子たちである。
申し訳ないが美少女というのはほとんどいないし、アイドルと呼べるレベルの完成された歌手に出会える場所ではなく、褒めてもカラオケ大会の催しである。そんな彼女たちも、いつかはAKBみたいに! というとんでもない夢を現実的に見て日夜励んでいるというが……。
◇
――キミたち、将来は何になりたいの?
「アイドル活動をして女優さんになりたいでーす!」
――アイドル活動? これが??
「そーでーす!」
――いや、無理でしょ!
「そんなことないですよぉ~ 今日もファンの人が来てくれて嬉しいでーす!」
――ファンってどれ?
「ええっとぉ~ あっ、あの人です!」
――ああ、あれ? でもいま別のアイドルを応援してるけど……。
「ファンはみんなのものなんですよぉっ」
――ちょっと逆じゃないの? アイドルがみんなのものというか、みんなのアイドルだろ!?
「ええっ、そうなんですかぁ? 社長にファンはみんなのものだけど自分のものにしなさいと言われましたぁ」
――へぇ~ 社長って何やってるひと? 芸能関係?
「ええっとぉ~ なんかどこかで働いているみたいですぅ」
――そうなんだ、大変だねぇ てゆか普段はなにやってんの?
「バイトしてますよぉ~」
――え、どんな??
「ええー聞かないで下さいよぉ~ おっパブですよぉ」
――おっパブ? てゆか、答えているじゃん!
「あっ、でもみんなには内緒なので言わないで下さいねぇ」
――ああ、オレ、言わないけど書くよ! そーゆータイプだから!
「ええーっ なんですかぁ、それ、超ウケるぅっ」
◇
……って、これ実話でして、つい最近の話。
地下とはいえ、現役アイドルの口から「おっハブ」つまり、「おっぱいパブ」でバイトしていると素直で明るいカミングアウトにさすがのオレも苦笑してしまった。
「あっ、でもお店(パブ)では超人気なんですよぉ」「来て下さいよぉ」と言葉を続ける彼女……。オマエ、それ営業か? どっちが本業だよ! これはリアルな会話だが、すべてはアイドル活動のためという。生活やレッスン費など支出も多くギャラなんか存在しないのが地下アイドルの世界なのだ。
この下積みと言えるのかよくわからない活動に決して明るい将来はないだろうし、一応管理しているというプロダクションを名乗る社長も見るからに業界素人。見よう見まねで始めました的な感じが漂っていた。
彼女たち、運営はなにを目的としてやっているのか、まったくわからないが、本人たちは至って真剣だ。しかし歌も踊りもMCもすべて改善の余地あり。ルックスやスタイルはまぁまぁレベルもいるが、それを役立ている場所は夜の風俗街である。屈託ない笑顔で悲壮感はないが危機感もない。一方、ファンに聞いてみると、「ここならみんなと話せるから」ということらしい。
AKB48にはなれない自称アイドルたちと、運営側からは「みんなのもの」と呼ばれるファンとの暖かくも寂しい交流会であるこの手のライブは毎日行われている。
「帰ってきたカルチャースタァ☆平本淳也」
Profile●ジャニーズ出身の実業家、作家、投資家。10歳で芸能界入り、30歳過ぎまでアイドルを続け、現在もテレビや雑誌で活躍を続けるなか、月間100万アクセスを獲るカリスマブロガーとしても知られる。22歳のときに物書きデビューして以来、34冊の書籍を発表。http://ameblo.jp/junya-hiramoto/
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Written by 平本淳也
Photo by タイトル未定 TypeI【初回限定盤】/キングレコード
ダメな子ほど可愛いのかも