親黙り、子黙り 「4歳児ぐらいの大きさの真っ黒な物体」|川奈まり子の奇譚蒐集二六(下)
――前回からの続き―― 不思議な少年に夜光虫の見える浜へと案内してもらった家族。しかし、父親の祥吾さんは海に入った時“誰かにしがみつかれた”ような違和感を感じ、一刻も早く海から離れたいと思っていた…… ...
親黙り、子黙り「お兄ちゃんは木の間に入っていって見えなくなった」|川奈まり子の奇譚蒐集二五(上)
「ほら、寄ってきましたよ。見えますか?」 ――少年は闇を湛えた水の中に両手を深く潜らせ、ゆっくりと「∞」を描いた。すると海の底から光の粒が無数に湧きあがり、彼の手首の周囲に銀河が生まれた。 子どもと妻 ...