国会内ではいつも嘘みたいな事件が起こる...
珍妙な事件が発生した。4月20日に自民党の長尾たかし衆議院議員(大阪14区)がツイッターでこう呟いたのだ。
「セクハラはあってはなりません。こちらの方々は、少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です。私は皆さんに、絶対セクハラは致しませんことを、宣言致します(原文ママ)」
長尾氏が言う「こちらの方々」とは、財務省の福田淳一事務次官(当時)によるセクハラ問題に"#ME TOO"のプラカードを掲げ、黒い服を着て抗議する野党6党の女性議員たち。彼女たちに「セクハラをしない」と宣言することが、かえってセクハラになってしまったという皮肉な現象だ。
もっとも批判が相次いだために、22日にツイートは消去された。そして長尾氏はブログで謝罪したが、その内容が珍妙なのだ。
審議を拒否される同時刻、MeTooと訴える議員諸氏の姿に、憤りを禁じ得ず、「無縁な方々」との表現をしてしまったことを猛省しております。
財務省等のセクハラ問題は看過できません。同時に、タクシー等でのセクハラ、不倫疑惑、女性議員に対する暴力疑惑なども同様だという怒りがありました。これら行為に目を瞑るということは、「身内のセクハラ問題には無関心」であるということ、これと、複数の男性議員が含まれていましたので「無縁な方々」と関連付けて投稿したというのが真意です。(「長尾たかしの・・・未来へのメッセージ」より)
まったくもってややこしいというか、まどろっこしい日本語だが、要するにこういうことになる。
①野党は財務省に抗議しながら国会で審議拒否している。これに憤りを覚えた。
②福田氏のセクハラに抗議しながら、野党は舞台女優などにセクハラをした初鹿明博衆議院議員、元女性秘書をセクハラした青山雅幸衆議院議員、そして年下弁護士と不倫疑惑が週刊誌で報じられた山尾志桜里衆議院議員については何も言わない。これに怒りを感じた。
③初鹿氏と青山氏が男性だから「セクハラの対象とはならない」と思った
でも本心ではたぶん、「お前らみたいなブスなんか、セクハラの対象にもならねーんだよ!(あるいは、セクハラをしてやんねーよ!)」と言いたかったに違いない。というか、あのツイートをそれ以外にどう読めというのか。
だからあれは本当にデリカシーのないツイートだった。そもそも永田町は昔から男性社会で、哀しいことにけっこうセクハラ行為がある。手を握られたり、指をなめられそうになったり、まあ最近では少なくなったが......。
Twitterより
そこで野党ヒアリングが終わった後、弁護士でもある社民党の福島みずほ参議院議員にその実態について聞いてみた。まさに長尾氏がツイッターで呟いた20日のことだ。
「本当にセクハラって嫌ですよね!」
そう聞くと福島氏はきょとんとした表情でこう答えた。
「私、セクハラにあったことないの」
えっえっえっ! 本当に「セクハラとは無縁の人」だったんですかっ!!!
まあ辣腕弁護士でもある福島氏にセクハラをしかけるほど勇気のある男性は、永田町のみならず世界中を探しても、まずいないだろうけど。ねえ。(文◎安積明子)
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