アンヘレス中心部のフィールズアベニュー。ゴーゴーバーや飲食店が軒を連ねる
フィールズアベニューの人気韓国料理店「オッパ」
フィリピン・パンパンガ州のアンヘレスにはかつて、米軍のクラーク空軍基地があり、ベトナム戦争時代に米兵向けの歓楽街として発展した経緯があります。ベトナムからアンヘレスを訪れた米兵らは、当地のゴーゴーバーで酒を飲み、女を買い、束の間の休暇を楽しんで戦地に戻っていきました。これは、ウタパオ空軍基地とともに発展したタイ東部のビーチリゾート、パタヤとの共通点でもあります。
マニラ首都圏からは車で2〜3時間で、バスやタクシーで気軽に行くことができます。ただ、内陸部に位置するため、パタヤのようなビーチは残念ながら近くにありません。規模もパタヤを10分の1くらいに縮小した感じですが、パタヤやマニラよりもスレていない嬢が多く、物価も安く、治安もマニラほど悪くはないため、「パタヤよりアンヘレス」あるいは「マニラよりアンヘレス」という根強いファンもいます。
アンヘレスを訪れてみると、まず驚かされるのが韓国勢の勢いです。中心部の歓楽街フィールズアベニューでは、多数のゴーゴーバーとともに複数の韓国料理店が営業。韓国人経営のゴーゴーもあり、韓国人観光客も非常に多いです。一方、同アベニューに本格的な日本料理店はなく、日本人客も多いとは言えません。日本人経営のゴーゴーというのも聞いたことがありません。
韓国でこのほど開催された平昌(ピョンチャン)五輪では、スピードスケート女子500メートルで、小平奈緒選手が韓国人のライバル、李相花(イ・サンファ)選手を破り、金メダルを獲得しましたが、アンヘレスでは韓国勢に完敗しているのが現状であります。
"親韓嬢"をバーファイン
フィールズアベニューにはさまざまなタイプのゴーゴーがそろっていますが、「アルカディア」は大きすぎず小さすぎずの中箱で、隣の系列店「エクウス」と中でつながっており、外に出ずに移動することもできます。在籍嬢の容姿も、良くもなく悪くもない中級レベルで、まさにアンヘレスの標準的なバーと言えます。振り付けバッチリのショータイムもあり、ダンスを真剣に練習した様子が伝わってきます。サンミゲル・フルーツフレーバーは125フィリピン・ペソ(約260円)。
ゴーゴーバー「アルカディア」の店内。ショータイムは見ごたえあり
「ドラゴン」は「アトランティス」などと並び、アンヘレスを代表する大箱の一つ。入店すると、おかまのママさんがさっそく駆け寄ってきて、システムなどを説明してくれます。私は女性にはさっぱりですが、昔からおかまにはよくモテます。
ママさんがおすすめする嬢の中から、色白のコをピックアップ。リチェルという名前で、中部レイテ島の港湾都市タクロバン出身の24歳。ドラゴンでは売れっ子の"1軍"とみられますが、マニラ・ブルゴス通りの人気店にいたら、間違いなく2軍です。
「ドラゴン」に在籍するリチェル。韓国旅行を目標に働いている(クリックで拡大します)
バーファイン(連れ出し代とプレイ代を含めた総額)は3000ペソ(約6200円)。ショートとロングに明確な区切りはなく、3000ペソで朝までいてくれる嬢が多いのがメリットです。容姿はそれなりですが、このコストパフォーマンスが最大の魅力なのです。
ホテルの部屋で軽く飲みながら、リチェルから事情聴取。「アンヘレスに来る前は、マニラのSMで働いていた」と明かされ驚きましたが、詳しく聞いてみると、アジア最大級のショッピングモール「SMモールオブアジア」に入居する店舗のスタッフとして働いていたとのこと。現在の自身の客層は99%韓国人で、本命の若い韓国人彼氏もいるそうです。
「今年は韓国旅行に行くのが楽しみ」と目を輝かせて語る姿が印象に残りました。アンヘレスで終始、韓国勢の勢いを見せつけられました。日本のエロ旅行者や実業家にも、当地に積極的に進出してもらいたいものです。(取材・文◎新羽七助「本誌記者潜入中『世界の怪しい酒場』第9回」)
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