不倫騒動に揺れるベッキーが、地上波のレギュラー番組への出演を見合わせる方向であるという。いよいよベッキーは芸能人として土壇場にまで追い込まれてしまったようだ。
こと恋愛において、芸能人と一般人の付き合いというのは少なくはないが、それが上手くいく可能性は一般人同士よりはるかに劣る。芸能人には芸能人ならではの独特のストレスもあれば、緊張で心身を滅ぼす重圧もあるわけで、特に紅白出場レベルのトップアーティストともなればそれは計り知れない。耐えきれなくて薬や酒に溺れたり、暴力に走ったりと人間が壊れていくこともしばしばだ。
そこでベッキーだ。一見、好きなことを自由に出来ているようでも、手に入れた環境は決して夢の世界ではないのが現実である。ベッキーのように芸能人として成功を収めた人間であれば、同じ境遇において理解しあえる相手が癒しには必要になる。そのためには周囲の声も聞こえず、周りも見えなくなるところも少なからずあるだろう。
芸能界入りする以前に一般人と付き合っていても芸能界に入れば、やはり同じ境遇の芸能人や業界人が良いと感情をシフトするのも珍しくはないし、政治的な条件を加味すればなおさらである。デメリットがないわけではないが「芸能人同士のカップル」はメリットのほうが先行する。
今回、はからずもSMAP解散騒動の木村拓哉と工藤静香の関係がクローズアップされたが、木村が独立を思い止まり芸能人生命を守れたのは同じ業界のパートナーのおかげだったと言えるだろう。ベッキーは「不倫」という禁断の果実を手にしたリスクを考えられず、またパートナーの川谷も冷静な判断ができなかった。厳しく言われても若い人間ほど下半身は言うことを聞かないものである。
ちなみにオレのジャニーズ時代の仲間で武口明というジュニアの有望格だった男は、当時TBSゴールデンのドラマで主役を張ったのだが、そのときにジャニーズ事務所から「仕事か女か」という選択を迫られ、大切にしていた彼女と別れてしまった。武口くんは今でも彼女を手放したことを心から後悔している。それを思うと芸能人の「仕事を取るか、恋人を取るか」という選択に正しい答えはないのかもしれない。
ジャニーズなんて「恋愛スキャンダル」程度では釈明もなければ記者会見さえしないのに、ベッキーとサンミュージックは正面から事態を受け止め対応している。「不倫」というミソが付いているとはいえ、その真摯な態度は芸能界には珍しい。ゲス川谷の逃げの姿勢を見るにつけ、CM契約を失い、レギュラー番組まで降板の憂き目にあうベッキーに同情を禁じ得ない。
Written by 平本淳也
Photo by Georgie Pauwels
Profile●ジャニーズ出身の実業家、作家、投資家。10歳でジャニーズ事務所から芸能界入り、30歳過ぎまでアイ ドルを続け、現在もテレビや雑誌で活躍を続けるなか、月間100万アクセスを獲るカリスマブロガーとしても知られる。22歳のときに物書きデビューして以来、34冊の書籍を発表。
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