かつて日本に「女子アナ・ブーム」が巻き起こったことを覚えていますか? |フジテレビ 1961〜2018年
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楠田枝里子、ユニット「DORA」、夏目三久、水卜アナという怪物を排出した局 |日本テレビ 1956〜2018年
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「報道のTBS」は小林麻耶を採用したことでアイドルアナウンサーの巣窟となった |TBS 1951〜2018年
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フジテレビ、日本テレビ、TBSと続けて女性アナウンサーの歴史を追ってきましたが、今回はテレビ朝日にスポットを当ててみたいと思います。
テレビ朝日の開局は1957年。東映、日本経済新聞社、旺文社などのメディア系企業が中心となって設立された日本教育テレビが前身となります。当時のテレ朝は教育番組と教養番組にウェイトを置いた教育専門局でした。
その4年後となる1961年に、光森和子さんが初の女性アナウンサーとして入社しているようです。筆者は寡聞にして三森アナの名前を存じ上げず、テレ朝で最初の女性アナウンサーは1963年入社の軽部和子さんだと思っておりました。軽部アナといえば、元フジテレビの露木茂アナの奥様ですね。
その後、キー局女性初の「取締役」を務めた堀越むつ子アナ(71年入社)、『世界の車窓から』の提供読みでおなじみだった古梶一枝アナ(現小林一枝・74年入社)などが採用されていますが、タレント的な人気を集めるようなポジションではありませんでした。ちなみに堀越アナ、古梶アナはテレ朝が本格的に参入した平日午後6時台の首都圏ローカルニュース番組『6時のサテライト』に抜擢されているので、局からの期待は大きかったのかもしれません。
そして、1977年には南美希子アナが入社。『笑アップ歌謡大作戦』『トゥナイト』『クイズタイムショック』などのMCを担当して、その上品なイメージから男性ファンの支持を集めました。おそらく、彼女がテレビ朝日でタレント的な人気を獲得した最初のアナウンサーと言ってよいでしょう。また、南アナと同期の宮嶋泰子アナは『スポーツレーダー』『600ステーション』などでスポーツコーナーを担当した、まさにスポーツのスペシャリストとして台頭。2015年に定年退職を迎え、現在は同局スポーツコメンテーターとして活躍されています。
80年代に入ってすぐの1981年、テレ朝は小宮悦子アナを採用。1985年からスタートした『ニュースステーション』の初代サブキャスターとして、フレッシュで清潔感あるルックスと歯切れのよいチャキチャキとしたトークで視聴者から絶大な支持を受けます。ちなみに81年入社組は豊作で、在局中に『遠山の金さん』で女優デビューを果たした原麻里子アナ、『クイズタイムショック』でくっきりとした目鼻立ちと華やかなルックスが特徴だった廣瀬雅子アナなどもお茶の間の人気を集めました。
しかし、小宮アナがタレント的な知名度を獲得していく一方、ほかの80年代入社の女性アナウンサーはあまり振るいませんでした。しいて言えば、『トゥナイト』を担当した雪野智世アナ(86年入社)、「しのじゅん」の愛称で親しまれた篠田潤子アナ(89年入社)くらいでしょうか。篠田アナはテレ朝を代表するアナドルでしたが、プロ野球選手の古田敦也との不倫スキャンダル後に低迷していくのが残念でした。
そして、アナドルブームが花開く90年代。各局のアナドルが猛威を振るうなか、やはりテレ朝の女性アナウンサーは地味な印象でした。しかし、それゆえに他局とは一線を画す個性派たちが登場したという事実もあります。
例えば、93年には『ビートたけしのTVタックル』でビートたけしのセクハラに冷徹なツッコミを入れて人気を博した丸川珠代アナ、純朴な癒し系の雰囲気が人気の大下容子アナの2名が入社。そのほかにも『トゥナイト』の体当たりリポートで水着姿まで披露した下平さやかアナ(95年入社)、〝きれいなお姉さん〟を地で行く美形ルックスがウリだった吉元潤子アナ(96年入社)、『早起き!チェック』『やじうまワイド』を担当して〝朝の顔〟だった徳永有美アナ(98年入社)、下平アナから引き継いだ『ミュージックステーション』でテレ朝の看板アナに成長した武内絵美アナ(99年入社)など、民放アナドルとは一線を画す人材を輩出しています。
余談ですが、吉元アナや野村真季アナ(98年入社)、佐分千恵アナ(00年入社)など、民放アナドルとは一味違う清楚な美女アナがそろっていたのも印象的です。
それに加えて、テレ朝のお家芸(?)ともいえる不倫スキャンダルがめだったのも90年代入社組でした。まず吉元アナが元体操選手の池谷幸雄と写真週刊誌に不倫朝帰りをスクープされ、川北桃子アナ(97年入社)が元横綱の花田勝との関係がウワサになり、徳永アナがウッチャンナンチャン・内村光良との不倫で涙の謝罪&番組降板と、あらためて思い返しても不倫スキャンダルのオンパレードだったなと...。
2000年代に入ると、徐々にタレント的な人気を集める女子アナが多くなっていきます。その草分けが2003年入社の前田有紀アナ、大木優紀アナ、市川寛子アナの〝3人娘〟です。
前田アナは『やべっちFC』、大木アナは『くりぃむナントカ』、市川寛子アナは『報道ステーション』のお天気コーナーと、それぞれが看板番組を手にして人気を獲得していきました。とくに前田アナと大木アナは『くりぃむナントカ』で迫真の口喧嘩を披露するという、当時の定番だったアナウンサーらしからぬ演出を受けて、一躍トップアナドルの仲間入りをしています。
その後も清純派の代表格だった堂真理子アナ(04年入社)、天然の癒し系キャラが人気だった島本真衣アナ(06年)が登場しました。そして、2008年にはミス慶応として入社前からメディアの注目を集めた竹内由恵アナが入社。同期の本間智恵アナ、八木麻紗子アナとともに「業務命令」というアナドルユニットを結成させられ、ミニスカコスプレでオリジナル曲「ヴィーナス・エスケープ」までリリースして、同局のアナドル路線をピークへと導きます。
その一方、アナドルとは異なる魅力のアナウンサーを採用しているのもテレ朝の特徴です。例えば、どこかあか抜けないけれど独特の色気をにおわせる松尾由美子アナ(02年入社)、豪放磊落なキャラクターが特徴の久保田直子アナ(05年)、報道向きのクールな和風のルックスが人気の小川彩佳アナ(07年入社)、気さくでフレッシュな魅力が老若男女に師事された宇賀なつみアナ(09年入社)などなど。一世を風靡するアナドルほどのインパクトはないけれど、ちょっと目を引く逸材を採用するのが上手なのでしょう。ちなみにここ数年は矢島悠子アナ(05年入社)、田中萌アナ(15年入社)が次々と不倫スキャンダルを引き起こしてメディアを騒がせたように、〝お家芸〟のほうも連綿と受け継がれているようです。
テレ朝の女性アナウンサーは、入社直後こそ目立たなくても、いつブレイクしてもおかしくない潜在能力を秘めた逸材ぞろいです。最近では弘中綾香アナ(13年入社)が入社時の萌えキャラを一変させ、アナウンサーらしからぬ毒舌ドSキャラで注目されました。そのほかの新人アナたちも現時点で大きな活躍は見られませんが、これから歴代の同局看板アナを超える逸材が登場するかもしれませんね。(文◎百園雷太[女子アナ・ウォッチャー])
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