Photo by 清原和博・怪物伝説(初回限定版) [DVD]
あの清原和博が「緊急入院 薬物でボロボロ」と6日発売の週刊文春が報じた。
「病院入口で本紙記者が直撃すると呂律が回らず......」という。
果たして清原は薬物を使用していたのか? 続報が気になるが、今回の報道で「確認」できた点は他にある。世間がイメージする期待以上の「清原像」の報告があった。清原は文春の記者に襲いかかったのだ。
《奪ったICレコーダーを両手で持ち、歯を食いしばりながらへし折ると、ニヤリと笑みを浮かべ、今度はカメラマンに襲いかかった》
見事な「番長」ぶり。
オヤジジャーナルは清原の番長キャラが大好き。先日、清原が巨人キャンプに突如姿を現したときも大興奮。
「丸刈り頭にちょびヒゲ。備長炭のように黒く焼いた顔」(日刊ゲンダイ)
「オーラが違う!清原氏がド派手スーツで巨人キャンプ視察」(東スポ)
番長キャラは本人も気に入っていたはず。いや、それどころか、清原は番長キャラによって救われたのではないか?
PL学園時代、桑田真澄とのKKコンビで日本中の注目を浴びていた清原。将来は「ポスト王貞治」の声もかかっていた。成績だけでなく人格も兼ね備えたスーパーヒーロー、超善玉の期待。
おまけにドラフトでは早大進学を表明していた桑田がまさかの巨人入り。桑田はその後「投げる不動産屋」の異名を取りヒール化。清原にはますますわかりやすいヒーロー像が求められた。
期待通り、四番を打つ西武ライオンズは圧倒的な強さで優勝を繰り返す。主砲の責務、ここ一番での勝負強さ、スター性を、清原はじゅうぶんに発揮した。
しかしひとつだけ足りないモノがあった。打者三冠タイトル(首位打者、本塁打王、打点王)である。
ルーキーイヤーからの活躍を見て、清原はあっさり個人タイトルを手中にすると誰もが思っていたがなかなか獲得できない。
ストレスがあったと思う。おまけに私生活のやんちゃぶりがちょいちょい週刊誌に顔を出す。自分は王さんのように成績も人格も兼ね備えた英雄ではない。清原にはそんなジレンマが複合的に襲いかかっていたはずだ。
巨人移籍後、そんな清原に救いの神が現れた。巨人ファンか? 長嶋監督か? チームメイトか?
フライデーである。
写真週刊誌の『フライデー』で「おぅワイや! 清原和博番長日記」が始まったのだ。清原の写真を元に「おぅワイや!」で始まり、勝手に文章を作り上げたコラム。完全に清原を茶化していた。
しかし架空の「清原=番長」キャラがあまりにもおもしろかった。清原のイメージにハマったのだ。
すると、実在の清原に異変が起きた。
番長キャラに乗っていこうと決意したかどうかはともかく、のびのびし始めた。元木を子分にしたり、ベンチでふんぞり返ったり、相手投手に凄味をきかせたり、「番長キャラ」を存分に発揮。安住の地を見つけたような顔。
わかりやすい肩書(個人タイトル)は相変わらず無い、巨人フロントは冷たい、何より自分は超善玉ではない。そんな清原には番長という「わかりやすい肩書」は救いの神だったのでないか。やっと「個人タイトル」を手にしたのだ。
番長キャラのおかげで、現在はタイトルを取れなかった自分も笑い飛ばしている。CMでローラに「お兄ちゃん(清原)も1位取れなかったじゃない」と、2位ばかりの個人成績をツッコまれて笑う清原は、多くの野球ファンをホッコリさせている。
気になるのは、最近の清原はサービス精神が強すぎてか、キャラが「番長」を通り越して「マフィア」みたいになっていたことだ。
その矢先の文春報道だっただけに......。もういちど番長に戻ってください。
【前回記事】
乱交パーティーを疑似体験!? 「愛の渦」で知る日本人の奥ゆかしさ...プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.33
Written by プチ鹿島
プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。ニッポン放送「プチ鹿島と長野美郷 Good Job ニッポン」金曜18:00-20:50 ◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」
【関連記事】
●清原和博の薬物疑惑報道にASKAの名前が...『ほぼ日刊 吉田豪』連載125
●美奈子のタトゥー除去、清原の意味深なテーピング...日本人の刺青タブーを考える