プチ鹿島の「余計な下世話」

交際報道の紗栄子に見る「地獄のフラット理論」|プチ鹿島の『余計な下世話!』

2015年10月27日 プチ鹿島 紗栄子

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 私は前回「アンチの気持ち」について書いた。新山千春が主婦層との戦いを7年間続けていたというテレビ番組をみて、自分のアンチ体験を書いたのだ。アンチになるほどますます気になってしまう無限地獄。対象をチェックしてしまう誠実地獄。

 しかも、本人がブログやSNSなどで対応するうちはフラットさを実感できるだろうが、どんどん遠くへ行ってしまったり、同じ土俵に降りてこなくなれば無力感しか残らない。フラットな世界で、現実は平等ではないことを確認してしまう。もちろん最初から手なんて届いていないのだが本当に届いていないのだと気づかされる。これを私は「地獄のフラット理論」と呼んでいる。その好例が先週炸裂した。「紗栄子に新恋人!資産2000億円ゾゾタウン社長」という記事だ(10月19日・日刊スポーツ)。

 紗栄子といえばダルビッシュ有投手と結婚して世間を驚かせた。一気にセレブへとなった(そのあと離婚)。

《紗栄子は、ファッションスナップ本が好評で、おしゃれな着こなしが同世代の女性に支持されている。ブログのアクセスランキングは常に上位だ。》(日刊スポーツ)

 人気も高いようだ。だけどその順調さや立ち回りの良さ感にどこかイラッとする空気もあったのだろう。週刊誌などから伝わってくる紗栄子の風聞はいつもヒール感が漂っていた。しかし今回話が出てきたお相手は資産約2000億円の前沢友作氏。

 もはやこうなると嫉妬する気力さえ失うのではないか。真正面からイヤミを言うのもはばかれるのではないか。この話題をニュースショーでやったとき、気のせいか、スタジオにいる女性タレントたちの顔が「無」になるのを感じた。見て見ぬふりをするしかない。粛々と感情をゼロにする。少し落ち着いてから微笑してみせる。スタジオのタレントたちから「アンチの正しい対応」を勝手に感じた。

 紗栄子のこの「やり手」ぶり。紗栄子自身も実業家として成功している。味方にしたらずいぶんと頼もしいと思う。政治家になってくれとは言わないが、外交の特使か何かになって、そのやり手ぶりを発揮してくれないだろうか。菊池桃子が「一億総活躍国民会議」の民間議員に選ばれたのが話題だけど、ああいうお飾り的な委員ではなく、紗栄子はあくまで実戦でプレイヤーとして働いてほしいのだ。そこらへんの交渉人よりよほど期待できる。一億総活躍より、一人で活躍してる紗栄子のエネルギーをどうか利用してほしい。

Written by プチ鹿島

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プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆TBSラジオ「荒川強啓ディ・キャッチ!」◆YBSラジオ「はみだし しゃべくりラジオキックス」◆NHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」

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