先週の東京ブレイキングニュースを読んであっと思った。【球界震撼】巨人の現役選手も手を染めた野球賭博の仕組み(10月28日)という記事。この中の、《昔のプロ野球界(特に関西系のチーム) には、「あなたその洋服どこで買ったんですか?」 と聞いてみたくなるセンスの選手が大勢いらっしゃった。 (略)そんな不思議な洋服・靴・アクセサリーは、ヤクザ屋さんからの選手への贈り物だったりした。》という箇所。
●「遊び」も「ファッション」も独特なプロ野球選手
私は数年前に「プロ野球選手のファッションはなぜ独特なのか」というコラムを野球雑誌に書いたことがある。それをもとに「野球選手はなぜ危険な遊び場所に行くのか」もメルマガで書いた。きっかけは2年前の週刊誌を読んで。
あるエース級の投手が女性問題で脅されていたという記事があったのですが、それを読んで思ったのは「野球選手の遊ぶ場所ってやっぱ世間と違いすぎる」ということ。記事の内容は、地方都市のキャバクラ嬢と「交際」したらその女性のオトコを名乗る人物が投手に接触してきたという。そこで投手は知人に解決を依頼。だけど今度はその知人と金でもめて......というお話だった。
どう考えても「オトコ」も「知人」も全部アウトサイダーだと思うんですが、有名選手だからそういう人が近寄ってくるのか、そういう人がいるところに野球選手は遊びに行ってしまうのか、いったいどっちなんだろうと不思議でした。それを考えるうえでヒントになるカギが「昭和の野球選手のファッション」だと思ったのです。独特の発達、ルートを考えたら同じ理屈ではないかと。
野球選手は人目につくからまず先輩に遊び場所を教えてもらう。彼らは先輩や知人に連れられて夜の店に行く。持ってるお金も人脈も庶民とはちがう野球選手の優先希望は「お金の心配はいいから気心が知れた店へ」。安心と楽チンを求める。ファッションのガラパゴス化も同じ理由だったのではないか。なぜ昭和の野球人は特殊な服を着ていたのか。おそらく「先輩が買っている店だから。紹介された店だから」が多くの理由だったはず。それが続けば伝統となり、独自のファッション進化を遂げるに決まっている。
洋服店のオーナーが単なる野球好きというなら別にいい。だけど、選手側の希望が「世間の人とあまり会わない店」という条件だったら、特殊な業界の方も必然とからんでくるエリアなのでは? そう考えたのだ。もちろんこれは想像であり、現在ではなく昭和の野球選手を思い浮かべて考えたこと。かつてはそういう伝統があったのではないかという。
しかし、いまだに野球選手は世間から注目される存在だ。人気球団に所属する選手は世間の喧噪から離れていくうちに、知らないうちに特殊なゾーンで「囲まれて」いることだってあると思う。注意しなければあぶない。野球賭博の報道を見ているとそれだけは確実に言えると思うのです。
Written by プチ鹿島
プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆TBSラジオ「荒川強啓ディ・キャッチ!」◆YBSラジオ「はみだし しゃべくりラジオキックス」◆NHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」
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