都知事選の開票の深夜に、こんな記事を目にした。
『宇都宮氏が明かす、鳥越氏の応援演説しなかった理由』(8月1日・日刊スポーツWEB)
宇都宮健児氏が、鳥越俊太郎氏からの応援演説の要請に応じなかった経緯を話している。いちばんネックになったのは週刊誌で報じられた女性問題について「鳥越候補自らが記者会見など公開の場で説明責任を果たし、被害者女性への配慮を示すこと」を求めたが折り合わなかったことらしい。私がそれより注目したのは次。
《加えて、鳥越氏がテレビなどの討論会を欠席していることに対しても「明日(28日)朝以降、候補者間の政策討論等の機会があるならば、欠席しないこと」とも求めた。》
そう、そうなのだ。今回私が鳥越氏に関して「ん?」と感じたのが、告示後早々のテレビ番組の討論を欠席したことを皮切りに、その手の討論企画にあまり出てこなかったことだ。週刊誌のあの報道が出る前から。
結局、開票当日の池上彰特番の出演もなし。「中継で私の質問は受けないということのようですね」と池上氏に嫌味を言われていた。
ジャーナリストなのになぜ言論の場を避けるのか、と思うが、ここで考え方を変えてみる。「ツッコミの人は、ボケにまわると弱い」という現実をまざまざと見せてくれたのが今回の鳥越氏であった。鳥越氏のテレビイメージは、ダンディでハンサムで権力に立ち向かうキャスターだ。絵にかいたようにカッコいいテレビキャスターだった。
しかし、この「絵にかいたように」がクセモノなのである。今までのように洒落たスタジオから攻める側ならいいけど、裸にされる側になると途端にフワフワする。自分がツッコミを受ける側になるともろくなる。つまり、恥をかき慣れていない。恥をかきたくないから避けようとする。今までカッコいいことしかやらなかったから当然だ。
それが「ザ・鳥越俊太郎」なのだから、今回は鳥越氏には最初から責任すらないとも言える。こういうタマで「勝てる」と思って担いだ人たちが悪い。
さて、今回の結果を受けてある提案をしたい。鳥越氏には今後は小奇麗なスタジオを出て、どこかの番組で現場レポーターに徹してほしいのだ。今から4年間、都政に密着して毎日レポしてほしい。76歳だけど、都知事になろうとしたくらいだからその程度の現場泥まみれは平気なはずだ。
「ジャーナリスト風」ではなく、ジャーナリストとしての姿を是非見せてほしいのである。
Written by プチ鹿島
Photo by がん患者
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