映画『シン・ゴジラ』の公開から1ヵ月。最近は「政治家はこの映画をどう観たか」という話題も多い。石破茂元防衛相がブログでゴジラに触れたことをきっかけにインタビューしたのは「週刊朝日」(9月9日号)。石破氏はゴジラに対処するのは防衛出動ではなく災害派遣でできるはず、と述べる。ゴジラはあくまで天変地異的な現象であり「害獣駆除として災害派遣で対処するのが法的には妥当なはず」という見解。
枝野幸男氏も同様の見解だ。
《「鳥獣駆除だ。防衛出動ではない」。民進党の枝野幸男幹事長は30日の記者会見で、映画『シン・ゴジラ』の中で首相が自衛隊に「防衛出動」を命じたことは適切でないとの認識を示した。枝野氏は同映画の制作に協力し、29日に鑑賞した。》(時事ドットコム・8月30日)
ちなみに、映画のエンドロールで「取材協力」で出てくる政治家は枝野幸男と小池百合子。石破氏があれをみて「なぜ俺に取材しないのか」と憤った可能性を私は想像したい。
その小池百合子もゴジラについて答えている。2日の都知事定例会見。
「『(石破氏は)防衛出動が必要かどうか』ということですが、『では、UFOに対してはどうするのか?』とか、そういった話にもつながってくる。ぜひ、専門家である石破氏に改めて確認をしていただきたい」(夕刊フジ・9月3日)
この記事の名は、『小池都知事から思わぬ"反撃"受ける石破氏 ゴジラ対処での発言にチクリ』。さて、政治家以外で私が注視したのはこのコメント。
『私は官邸の中にいたので、それがどのぐらい忠実に再現されているか観察しましたが、75%は再現されていたと思う。総理執務室の雰囲気などかなり似ていた』(元内閣参事官・高橋洋一「週刊新潮」9月1日号)
『シン・ゴジラ』のスタッフの話として、首相官邸は見学させてもらえたが執務室はどういう空間か教えてもらえなかったとパンフにある。そこで、安倍首相のブログを手掛かりにしたという。執務室の背景が少し写っていた写真を集めた。いろんなアングルから撮影している写真を集め、背景を切り貼りしたら「270度分の室内の背景が分かりました」。さらに、野田首相の時に1枚だけ窓側が分かる写真があって、それで類推し、間取り図を起こして再現したという。この細かい作業が、「総理執務室の雰囲気などかなり似ていた」と中を知っている人をうならせた。
やっぱり『シン・ゴジラ』はリアルだった。
Written by プチ鹿島
Photo by シン・ゴジラ音楽集
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