萩生田光一官房副長官と言えば「田舎のプロレス」発言で昨年注目を浴びたが、実は同じ会合でもっと味わい深い発言をしている。それが安倍首相に関する次の言葉である。
《首相はおぼっちゃま育ちの割には不良と付き合うのが上手だ。荒っぽい政治家と堂々と話すことができる。》
ここでいう「不良」とは、トランプ、プーチン、フィリピンのドゥテルテ、トルコのエルドアン大統領のことだ。
《萩生田氏の「不良」発言は、野党の国会対応を「茶番」などと述べたのと同じ会合で出た。民進党の小川敏夫参院議員会長は24日の記者会見で「とんでもない暴言で、外交上非礼だ」と批判し、萩生田氏の罷免を求めた。 》(時事ドットコム・2016年11月24日)
私がここで問いたいのは官房副長官という立場の人が他国の大統領を不良と例えたことではない。首相が「不良と付き合うのが上手」で「堂々と話すことができる」という部分である。
果たして本当か。
その後の安倍首相のトランプ・プーチンとの会談を見ると「おぼっちゃま育ちの割には不良と付き合うのが上手」には思えない。なんか、振り回されてただけのような。
すると今度は「トランプとゴルフ会談」である。
1月の電話会談の折りに「いつか一緒にプレーしたいですね」と安倍首相が言ったところ、トランプは「首脳会談の次の日に(ゴルフが)できるんじゃないか?おお、休日じゃないか!行けるだろ?」と即答したという(朝日新聞・2月10日)。
トランプとゴルフと言えば、『ホールインマネー!大富豪トランプのアブない遊び』という映画がある。
ビジネスマンとしてのトランプが世界各国でゴルフ場開発をする姿を描いたドキュメンタリーだが、この映画を観ると地元住民の反対運動の場面などは現在のトランプの姿にそのまま通じる。言ってみればトランプにとってゴルフはそれだけ「本業」なのである。
そんなトランプから「大統領専用機で移動 別荘でゴルフ」「首相に異例の厚遇」(読売新聞・2月10日)ともてなしを受ければ受けるほど"史上最悪の接待ゴルフ"という予感しかしない。ゴルフのあとに何が待っているのか、という。
産経新聞は「政論」(2月10日)というコラムで「ゴルフの何がだめなのか」と書いた。そのなかで外務省幹部の
《同盟国の大統領と近しい関係になることが悪いわけがない。仲良くなればなるほど言うべきことを言いやすくなる。》
という言葉を紹介している。そういえばトランプが、イスラム圏7カ国からの入国を禁止する大統領令を執行したことに対して、安倍首相は沈黙したままだった。
ゴルフをしたら本当に「言うべきことを言える」ようになるのだろうか。首相は本当に「不良と付き合うのが上手」なのだろうか。いろんなことがわかりそうなゴルフ後です。
Written by プチ鹿島
Photo by Infomastern
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