【虐待】首の座らない我が子を叩き、揺さぶり、将来を奪ってしまった女の懺悔録【産後うつ】

2018年01月23日 

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初めての育児の苛酷さは、西野由希(仮名、裁判当時29歳)の想像を越えていました。日常生活にあまり支障はないとはいえ足が悪い彼女は、産まれたばかりの娘が泣いていてもすぐには駆けつけてあげられません。抱っこするのも大変でした。
元々体も丈夫ではなく、持病の喘息にも苦しんでいました。そして軽度の発達障害という診断を受けていて、24歳の時には統合失調症を発症し精神科に通っていました。

彼女の夫は育児と家事にとても協力的でした。遠くに住んでいた姉も電話やメールで彼女の相談に乗ったり育児のアドバイスをしたり、時には泊まりに来て彼女をサポートしてくれることもありました。弁護側証人として出廷した姉は、

「大変そうだな、と思ってました。だからなるべく休んで欲しかったし、助けてあげたかった。産後うつのようなものもちょっとはあったと思います。辛いんだろうな、と同情してました」

と話していました。彼女の苦しみを理解して助けてくれる人はいたのです。それでも、初めての育児は彼女には重すぎました。


止まらなくなってしまった虐待


二時間おきのミルク、夫が出勤した後の娘と二人きりの時間、泣き止まない娘...。彼女にとって全てが苦痛でした。イライラする気持ちを抑えることがどうしても出来ませんでした。そのイライラが初めて暴力に変わったのは娘を産んで2週間後のことです。泣き止まない娘に腹を立てた彼女は衝動的に頬を平手打ちしました。

叩いてすぐ、彼女は激しい後悔に襲われました。何故こんなことをしてしまったのか、彼女自身にも全くわかりませんでした。

「自分がおかしくなってるのは分かってました。これ以上エスカレートしたくない、と思ってました。でも毎日が不安で......娘といると何かしてしまうんじゃないかという恐怖をいつも感じていました」

彼女にとって、育児も日々の生活も何もかもがストレスになっていたのだと思います。

初めて娘に手をあげた後も、彼女の虐待は続きました。どうしても自分を抑えることが出来ませんでした。娘に暴力を振るう度に、彼女は泣きながら母に電話しました。罪悪感と自責の念、もう彼女の心は壊れていました。

そして娘が産まれて2ヶ月後、とうとう最悪の事態が起きてしまいました。


我に返った彼女はすぐに119番通報した


夫が出勤してすぐのことでした。彼女は泣き止まない娘に腹を立て

「何なのよ!!」

と怒鳴りながらその頬を叩き、両脇を持って上下前後に揺さぶりました。

「瞳が上に上がり、手足をバタつかせてました。大変なことをしてしまった、と思いました。首がすわってない乳児を揺さぶって死に至らしめた事件があったのは知ってました」

我にかえった彼女がすぐに119番通報したので、娘は一命をとりとめました。しかし一生消えない障害を抱えることになりました。

脳に受けたダメージが原因で痙攣が頻発する身体になりました。薬で抑えることはできますが、この痙攣は二時間続くと死に至ることもあるものだそうです。また、言語障害、歩行障害、知的障害も残り、視力を失う可能性も高い、という診断結果でした。

「留置場に入れられて、中でずっとずっと娘のことを考えてました。数日が山だと聞かされたので...。大変なことをしてしまったと思ってます。わたしは娘の人生も、夫の人生もめちゃくちゃにしてしまいました。わたしが母親でなければ娘はまっすぐ育ってくれたんだろうなと思うと...申し訳ない気持ちでいっぱいです」

夫とは裁判の前に離婚が成立しました。親権は放棄、面会は求めないという条件で彼女は離婚に同意しました。
夫は彼女に、事件のことと娘のことを一切口にしなかったそうです。

彼女は娘が産まれた時のことをこう振り返っていました。

「ずっと望んでいたので、妊娠がわかった時は本当に嬉しかったです。予定日より早く産まれてきた娘は少し小さくて本当に可愛くて...『産まれてきてくれてありがとう』って思って...感謝してました」


取材・文◎鈴木孔明

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