いま「避妊具自販機」って激減してる? 既に“大人になっていた”平成を振り返ってみた|中川淳一郎

そう寝ぼけ眼ながら智子は言い、僕の唇に唇を押し付け、舌を入れてきた。そして、右手で僕の下半身に蠢く邪悪な蛇を弄ぶかのようにこねくりまわす。まさかいきなりその状態になるとは想定もしておらず、僕は「ちょっと待ってくれ、待ってくれ!」と言うも智子はやめない。

いや、この1時間ほど、ずっと淫らなことばかり考えてきた脳味噌と、怒張し続けたアソコはこの突然の超絶刺激に耐え切れず、ついに暴発してしまった。

「えっ、あれ、えっ?」

「ごめん。もうずっとこの状態で突然の刺激でもう耐えきれなかった……」

まったく心の準備ができていなかったこともあり、こんな結果になった。猛烈ないびきをかく智子の横で僕はずっと天井を見ながら、自販機があそこまで見つからなかったことを恨むのだった。

と、猛烈にアホな話を書いてみたが、これがトレンディードラマブーム終了後、そしてバブル崩壊後の大学生の過ごしてきた平成初期の空気感の一つである。(文◎中川淳一郎 連載『俺の平成史』)

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