ひきこもりは殺人者になるのか 人間が事件を起こしてしまう5つの条件|川崎・登戸カリタス小殺傷事件考察

登戸での事件での多数の被害者の方々への冥福を祈りたい。僕はこれまで津山事件などの大量殺人事件の取材をしているうえ、実は最近では長期ひきこもりの支援をしており、年間800回以上の家庭訪問を重ね、その数は累計では10000回を越えている。長期ひきこもりの当事者や家族の現実を、おそらく最もよく知る者の一人かもしれない。

そのうえで今回の事件の性質をあえて一言で述べるなら「無理心中」のようなものと言えるのではないだろうか。そして、心配する点として、今回の事件でひきこもりを「犯罪者予備軍」のように考える偏見が蔓延するのではないかということを恐れている。

確かに今回の実行者にはひきこもり経験があるが、僕の支援したケースを見る限り、ひきこもり当事者は圧倒的に加害者より被害者になることの方が多い。ただ、ごく少数の今回の事件の実行者のような人が出て報道され、クローズアップされると、ひきこもりへの偏見や誤解、理不尽な風当たりが強くなってしまう。

取り締まりを強くしようなどという意見が強まるかもしれないが、そんなことで今回のような事件を容易に防げるとは思えない。むしろ誰もが暮らしづらい世の中になる。残念なことだ。

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JR南武線の登戸駅。左側がカリタス小方面(写真◎編集部)
カリタス小の子供たちはこの前でバスを待っていただけなのに(写真◎編集部)
岩崎容疑者が自殺したバス亭(写真◎編集部)