建設現場が嫌になり逃走しホームレスになった男が賽銭泥棒で逮捕 裁判で問われた42歳の将来
彼は出所後、建設作業員として数年間アパートで一人暮らしをしながら働いてきました。その後別の建設関係の会社に転職し、会社の寮で生活していました。この転職先の会社の人間関係がうまくいかなかったようです。
「人間関係がイヤになって寮を飛び出しました。誰にも言わず衝動的に飛び出したので住む場所などは決めてませんでした」
彼は寮を出てから江戸川の河川敷で暮らすようになりました。初めてのホームレス生活です。
「ホームレスはキツかったです。以前実刑を受けた時は『もうやらない』と決めたんですが、誘惑に勝てませんでした」
こうして彼は前にやったこともある賽銭泥棒を再び行うことを決意しました。
「賽銭箱から持ち出したのが4961円、これだけ盗んでその先どうするつもりだったんですか?」
と質問された際には
「その日暮らしで先のことは何も考えてませんでした。考えられませんでした」
と答えています。
証人として出廷した、元の職場の社長は彼を再び会社に受け入れることを裁判所に約束していました。
「何故被告が寮から黙って出ていったかは正直わかりません。相談してくれればよかったのに…と思います。でも自分がそういうことを言い出しづらい立場にしてしまったのだと思います。何でも言いやすい環境にしてあげればよかったと思います。1人の人間がそうなった、ということは他にもそうなる従業員がいるかもしれません。職場環境の改善をはかっていきます」
傍聴席に社長がいたこともあったのかもしれませんが、彼は職場のどこが不満だったのかはあまり話そうとしませんでした。
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