建設現場が嫌になり逃走しホームレスになった男が賽銭泥棒で逮捕 裁判で問われた42歳の将来

弁護人が聞いたところによれば「建設現場特有の上から目線で話す同僚がイヤになった」ようです。社長は彼の仕事ぶりや勤務態度は高く評価していました。

ここからは憶測になりますが、基本的には彼は真面目な人間のようです。過去に犯歴こそありますが、少なくとも今回の事件当時の彼は本来なら犯罪を犯すような人間ではなかったのではないかと思います。

しかし、その真面目さゆえに自分の抱えている悩みや不満を誰にも相談できずに自分1人で抱え込み、どうにもならなくなって職場を飛び出してしまいました。周りよりも少し繊細で少し弱い人間だったこと、それが彼を犯罪に走らせた要因です。それが裁かれなくてはならないような悪だとは思えません。

賽銭泥棒などという罰当たりな行為はほとんどの人間はしませんし、やろうと思うこともないはずです。しかし、当時彼が置かれていた立場そのものが「罰」に思えて仕方ありません。ではそれは何に対する「罰」なのでしょうか?

人間関係を築くのが下手で不器用なことが、「罰」が当たるような罪なのだとしたら…。犯罪まで犯さないにしろ、彼に似た人は世の中に多くいるはずです。(取材・文◎鈴木孔明)

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