香港はデモで“新疆ウイグル自治区化”する? 若者たちの異様な「デジタル断ち」とは|西牟田靖

デジタル断ちをする参加者たち

さて。注目したいのは12日のデモで、参加者が、異様とも思える行動をとったことだ。

『香港デモ、参加者は「デジタル断ち」 当局の追跡警戒 「新疆化」恐れる声も』(AFP2019年6月14日)https://www.afpbb.com/articles/-/3230038

この記事に掲載された写真によると、参加者の一部は黒いTシャツで統一。ゴーグルに防塵・防毒マスクを装着し顔を隠している。

そのほか、こうも記されている。

『携帯電話の位置情報はオフに、列車の切符を買うのは現金で、ソーシャルメディアでのやりとりはすぐに消去──。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする香港の「逃亡犯条例」改正案をめぐる大規模デモでは、当局の監視や将来訴追される危険を回避しようと、テクノロジー通の若者たちが「デジタル断ち」している』

このニュースを読んで連想したのが、昨年起きた渋谷ハロウィン軽トラ横転事件の顛末だ。この事件の犯人は、発生からわずか2週間で相次いで逮捕されている。というのも、警察が、現場で撮られた写真等に写った顔と一致した、防犯カメラ映像があったからだ。香港デモ参加者たちが、同様の逮捕を恐れるのであれば、顔を隠すだけで、証拠隠滅が図れる。

であれば、デジタル断ちというのは過剰反応ではないか。