香港はデモで“新疆ウイグル自治区化”する? 若者たちの異様な「デジタル断ち」とは|西牟田靖
今後、香港はどうなるか?
話を香港に戻そう。
今後、逃亡犯条例が改正され、いよいよデモが許されなくなると、香港はひどい社会になる可能性がある。もちろん、香港市民が大人しくしていればこれまで通りだろう。しかし規制に対して反対するデモが相次げば、共産党政府の香港への弾圧は激しさを増すことになるはずだ。そうして弾圧が激しさを増せば、最悪、新疆ウイグル自治区同様の厳しい弾圧体制が敷かれてしまうかもしれない。
香港には顔写真入りのIDカードがある。本土にも似たようなカードがあるが、一国二制度だけにシステムは別。これがもし今後、システムが統合されれば、顔を隠していても、IDカードに紐付いた移動情報やSNSでのやりとりから足がついてしまう可能性がある。しかも改定案が改正されれば、デモに参加したという理由で、おおっぴらに逮捕が可能となってしまう。
救いなのは共産党政府はお金儲けが何より大事だということだ。香港は国際金融市場において世界有数の最重要都市である。デモを弾圧し、本土並みとなってしまえば、香港の国際的な信用は地に落ちる。そんなことは共産党政府といえども易々と実行してしまうとは思えないのだ。(文・写真◎西牟田靖)