「100円ちょうだい…10円でもいいや…」 カッターナイフを手にしたこの強盗男は“あなただった”かもしれない
やがて貯金も底を尽きました。サラ金で100万円の借金を作ってしまいました。
生活保護を受けようとは思っていたようですが、役所に申請の手続きをしに行くことはありませんでした。
「もう刑務所に入っちゃおう、と思いました」
そうして自暴自棄になった彼は被害額たった100円の『強盗』事件を起こしてしまいました。
今後、彼は弁護人に紹介された自立支援センターで生活の立て直しをはかるようです。
「もう犯罪には手を染めません」
と言って裁判官に向かって頭を下げていました。
彼が感じていた将来への不安や恐怖、それは誰もが抱えているのではないでしょうか。言い換えれば、誰もが彼のようにカッターに手を伸ばしてもおかしくない、今の社会はそういう場所なのかもしれません。(取材・文◎鈴木孔明)