あなたの知らない京都観光ルート 清水の舞台はいったい“何のために”造られたのか!?|Mr.tsubaking
ここは大谷本廟。
浄土真宗の宗祖親鸞の墓所がある場所です。「それがし閉眼せば賀茂川に入れて魚に与ふべし」(私が死んだら、遺体は鴨川に捨てて鴨川の魚に食べさせてください)と親鸞は言い残して亡くなりましたが、残されたものの心情としてそうはいかないのが世の常。まして市井の人々からも人気のあった親鸞ですから、こうして墓がつくられました。
そんな親鸞に思いを馳せながら門をくぐりお堂に手を合わせ、さらに奥へ進むと広がっているのが「死者の世界」です。
広大な丘陵地帯に、所狭しと並んだ墓・墓・墓。
「死」というものを隠しながら進む現代社会に生きる私たちにとって、これだけ多くの死の象徴を目の当たりにする体験は滅多になく、その場に立ち尽くして心をどうしておけば良いのかしばらくわからなくなってしまうほどです。
この場所がこれほどまでに死者の谷になったのには訳があります。