還付金詐欺の「出し子」が裁判で吐露した“逮捕されても抜け出せない地獄” こうして犯罪者は次の犯罪に手を染める

前刑出所後、彼は母親が暮らす家に戻り二人で暮らし始めました。

母親はガンを患っていました。

もう母に迷惑をかけるわけにはいかない、むしろこれからは自分が母を支えていかなくてはいけない。そう思いながら彼は社会復帰後の生活を送っていたようです。

そんな彼の生活もある日、一人の男が訪ねてきた時点からまた狂い始めました。

「以前捕まった時の共犯者が家にやってきました。住所は教えてなかったはずなのに何故か家を知ってて…」

共犯者が彼の家を訪れた理由、それは金の取り立てでした。

「300万円請求されました。前回、自分がしくじって逮捕されたせいで回収できなかった金額です」

もちろんこんなお金を支払う必要などはありません。しかし相手はカタギではありません。いわゆる反社会的勢力とされている人間です。

急に300万円というお金を請求されても彼には支払うことができませんでした。返済のため、彼は「共犯者の知り合い」の所で働かされることになりました。

裁判ではどのような仕事をしていたかの詳細は話していませんでしたが、彼が「借金」の返済分を差し引いた上で受け取っていた賃金については言及がありました。彼は「週1万円」の賃金で働かされていました。

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