大手メディアまでが毒されるヘイトの病根 差別を煽動する雑誌に市民権を与えたのは誰か|青木理
ただ、こうした恥知らずな月刊誌に“お上公認”のお墨つきを堂々と与えてきた政権の責任は見逃せない。そこを問わずして『ポスト』誌を批判するのは、悪化する病状に対症療法を加えるようなものであって(対症療法はもちろん必要だが)、病根はそのまま放置されているに等しい。
以下は余談になるが、振り返ってみれば、こうした恥知らずな月刊誌に集うような面々は以前から一定程度はいた。それを右翼とか保守とか呼ぶべきかどうかはともかく、以前なら道の端っこに佇んでいるだけで、「変わったことを言っているおかしな人たち」とみなされ、蔑まれ、相手にもされていなかった。
だが、現政権の登場とともにはしゃぎ、次第に道の真ん中を堂々と歩き、ついには平然とレイシズムをばらまくような風景が常態化してしまった。結局のところ、そうした奇矯な連中やレイシズムに一種の“市民権”を与え、さらに拡散させてしまったという意味で、現政権の罪こそが問題の核心なのだと私は考えている。(文◎青木理)
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