ホテル女性殺害・高齢者殺人運転・通り魔・飛び降り自殺… なぜ世間を騒がせる事件は池袋で起きるのか

引っ越し先を探す際に「水場の近くは避けよ」という話もある。これは、オカルト的で非科学的な言説ばかりでなく、統計学や風水などの科学や長い歴史に裏打ちされたものであることも多い。

「池袋」という地名の由来は、事件現場と同じ現在の西池袋にかつてあった「袋池」という池である。池袋もやはりその名の通り、水場が元になった土地なのである。こうした場所には幽霊が出るというような話には眉唾だが、水の多い湿地やかつて湿地であった場所は、時代が流れ街の様子が変わってもその奥に通底する「ジメジメした地場」が変わらないということは、文化人類学者の中沢新一氏も著作「アースダイバー」などで詳らかに語っている。

この袋池は水源だったようで、現在は埋め立てられ暗渠となっているが、ここから弦巻川が始まっており、その痕跡は今も南池袋に弦巻通りという道の名に残っている。その先は、雑司が谷霊園。やはり「水と死」は常にそばにあることがわかる。

事故物件サイト「大島てる」を見ても、今回の事件現場となったホテルの周りは、飛び降り自殺や殺人の現場がいくつも見つかるし、その流れはこの街が人がまだ繁華街ではなかった江戸時代にまでさかのぼることができるのである。

参考記事:元関東連合・石元太一氏が答える 絵本作家のぶみさんが総長だった『池袋連合』について|久田将義 | TABLO