ラグビーワールドカップで異変が起きている街 新宿ゴールデン街に異例の通達書 新しい店と老舗の店の対立も

「リーマンショックのあった2008年以降、ゴールデン街は極端に不況になりました。それまで毎日のように飲みに来ていたジャーナリストや雑誌関係者の常連も出版不況で来なくなった。ゴールデン街はマスコミ関係の常連で持ってましたから経営の危機です。そうした時期に外国人観光客が増えたので、それまでの会員制・チャージ制から外国人が入りやすいノーチャージのショットバーに切り替えた店も多いんです。

しかし昔ながらの常連相手の商売を変えられない古株の店も多くて、彼らは外国人客で賑わうショットバーを苦々しく思ってるんですよ。一部にはゴールデン街を外国人立入禁止にしようという過激な意見を持っている古株店主もいます。まったく時代遅れの考え方ですが、そうした人々が今回のトラブルを過大に批判している部分もあります」

実はラグビーW杯は思ったほど盛り上がっておらず、外国人ラグビーファンの暴走で困惑する声はゴールデン街以外の繁華街・飲食街からはほとんど聞こえてこない。日本がアイルランドに勝利した日も、都内の多くの盛り場はほぼ平静だった。そんな中、ゴールデン街だけに海外のラグビーファンが集まり盛り上がるのは珍しい現象といっていい。

「ゴールデン街のショットバーはイギリスのパブに近い空気がある。だからイングランドやアイルランド、スコットランドのファンが楽しくて集まってくるんだと思います。多文化的で良い傾向と思いますけどね」(前出店主)

2020年には東京オリンピックが控えている。施設の一部が新宿区内にかかる新国立競技場がメイン会場になるだけに、今回のW杯以上にゴールデン街に外国人観光客が押し寄せる可能性も充分ある。その受け入れ態勢をどうするか、関係者は早くも頭を悩ませている。(文◎藤木TDC)

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