マイナンバーカードを利用した「マイナポイント」が来秋スタート? 始まる前から失敗が目に見えている事業に「また税金の無駄遣いか」の声

あと、「マイナポイント」が使えるお店についても未定なんですよね。例えば、PayPayとか楽天ポイントと相互交換できるようなら便利なんですけど、「自治体ポイント」とかなら結構使いにくいよなと。この「自治体ポイント」は政府が地方振興をサポートするために作った制度で、地域によってはアンテナショップとか一部の商店街だけしか使えないみたいな、すごい地味なポイント制度です。これから決まるであろうマイナポイントの利用環境がえらい狭いなんてことになれば、いくら還元率が高くてもちょっとな…と思います。

ほかにはセキュリティーがどうなるのかというのも気になる点です。いわゆるマイナンバー自体は国民に割り振られましたが、カードを発行しているという人はそんなに多くはないと思います。筆者もペラペラの通知カードは持っていますが、カードは作っていません。実際、カードの累計発行枚数は2019年3月13日時点で約1640万枚で、普及率にすると12.8%程度。しかも、内閣府の世論調査では53%の人が「カードを取得する予定がない」と回答しているし、そのうち26.9%が「個人情報の漏洩が心配」と答えているそうです。つまり多くの人たちから信用されていないわけで、この個人情報をどう扱うのかということをきちんと説明できないと安心してマイナポイントを利用できません。もちろんマイナンバーやマイキーIDでセキュリティ対策はするんでしょうけど、例えば、Tポイント問題やリクナビ問題のようにマイナポイントに登録した情報を特定機関に提供するなんてあるかもしれませんし…。

昨今はさまざまなサービスで「還元」が行われていますが、「お得」の対価として「個人情報の提供」があることは押さえておきたいところ。また、「マイナポイント」についてはまだ未定の部分が多いので、今後の動きをチェックして利用する、しないを決めることが必要になりそうです。(文◎百園雷太)

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