これがヤラセのからくり 地元有力者が語る『24時間テレビ』とのやり取り 妄想ドキュメンタリーはこうして作られた!
誰が航空局から許可を得たのか?
――私たちが聞いたところによると、だいたい8年くらい前に日本のテレビ局がここでコムローイの番組撮影をしましたよね。知りたいのは、ここは通常コムローイを上げるのは禁止されているんですよね? どうしてここでコムローイを上げられたんでしょうか?
「そうだね、実際ここは上げるのを禁止されているんだよ。ここでは通常上げられないんだ」
彼が普段働いているという施設内へ案内してもらい、テーブルセットへ座るように促された。元副町長は扇風機とエアコンを目一杯回してくれ、笑顔で私たちの質問を聞いてくれた。
「この町で『コムローイ作り』は、高齢者や子どもなどが収入を得られる職業のひとつなんだ。コムローイはよく売れる。イーペンの祭りやロイカトーンなどで、みんなはコムローイを上げるだろ? そのあとの時期でもタンブンなどで常にコムローイを上げる。ロイカトン以外の行事でもコムローイを上げている」
――なるほど、そういう地域へコムローイを売って生計を立てているんですね。
「そうだ。でも、ここはチェンマイ空港に離発着する飛行機の航路に当たっている。空港はコムローイを飛ばすことを禁止しているんだ。でも、上げることはできる。できるんだが、航空局に協力要請をしなければいけない。どの時間に上げるかということを申請すれば許可が降りることもある。飛行機が通らない時間帯に」
このことは我々も把握しており、写真のようにコムローイを禁止していること、それでも飛ばしたい場合はどこに連絡すれば良いかという内容も航空局に確認している。
――航空局から許可をもらうのは難しいですか?
「難しくないと思う。でも、許可をもらうに当たっては目的・いくつあげるのか・どの時間帯にやるのかを確認される。コムローイを上げる時間帯に飛行機がたくさん通過するかどうか、もしたくさん通過する時間帯で上げられなければ、他の時間でできるかどうか」
――どれくらいの時間をもらえるんですか?
「まず私たちが上げたい希望の日時を言うんだよ。それを航空局が検討して指定した時間にあげなければいけないんだ」
――日本のテレビ局が来てコムローイを上げた時には、誰が航空局から許可をもらったんですか?
「それは私たちじゃない。日本人が許可を取ったんだ」