これが現代ニッポンの『縮図』 チャイナタウン化する埼玉県川口市に生まれたクルド人村、ベトナム人村
埼玉県の南部に位置する川口市は人口50万超、県内第二位の都市。その川口で外国人が集住しているのが、JR西川口駅、同じく蕨駅だ。蕨は独立した市だが、構造上ざっくりと駅の西側が蕨市、東側が川口市に属する。
まず西川口から見てみると、かつてあった風俗街の後に中国人が経営する店舗が急増。ミニ中華街の様相を呈している。当然、多くの中国人が居住するようになったが、その一部には売春などの違法行為に従事する中国人もいる。その大部分は不法就労者と見てよい。もちろん、大方の居住者は滞在許可を持っているが、夜の店も多い特性からそうなる。
一方、隣の蕨駅にも中国人は多く、特に居住者5000人を抱えるマンモス団地・UR芝園団地は約その半分が中国人居住者である。筆者も何度が取材で訪れているが、多くの子供たちが団地内の公園で元気に駆け回っている、という昭和的雰囲気に感嘆したものである。もっとも、そのほとんどは中国人児童たちだ。それだけ、若い層の中国人居住者が多いということ。
そして、その多くがIT企業などで働く技能者などの子どもたちだ。いわばエリート層がここには住む。そして、様々な葛藤を抱えながらも地域と共生を図ってきた。誤解を恐れず言えば同じ中国人でも、西川口とは少しばかり趣きが異なるのだ。
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