歌舞伎町で「ぼったくり」報告が多発 改めて警鐘を鳴らずぼったくりの傾向と対策

当然だが、ある意味過酷な、このシステムがいつまでも機能するワケはない。功を焦ったのか、ある店舗で支払いを拒む客を集団で暴行し死に至らしめ、その遺体を杉並区内の公園に放置するという事件が勃発。それによって、お上の本格的な介入を呼び、このチェーンは壊滅した。

もっとも最大規模のチェーンが壊滅したからと言ってこの「システム」までが消えうせたわけではなく、同様の店は歌舞伎町に数多く蔓延り、それがある種の伝統となっていまに至っているのだ。また、壊滅したチェーンのトップこそこのシノギから手を引いたが、幹部連中ら残党はほとぼりが冷めてから歌舞伎町に舞い戻っている。

現在の歌舞伎町は、伝統的とも言えるこれら荒っぽいぼったくりと、ここ20年ほどで出現した「プチボッタ」と言われる、小口でお上が介入しづらい手口が混在している。冒頭に取り上げた居酒屋などはプチボッタの範疇に入るかもしれない。

では肝心の対策と言うと、これはシンプルで荒っぽいほうはキャッチ(客引き)についていかないということに尽きる。また、ブチボッタのほうも都条例で少なくなったとはいえ、いまだ居酒屋のキャッチは多いのでやはりついていかない、また入店して雰囲気がおかしいと思ったら即座に退店するしかない(店員の態度、メニューの雑さなど)。

正月休みを迎え、歌舞伎町に足を運ぶ人も多いだろう。しかし、この街が「自己責任の街」ということを忘れてはいけない。(取材・文◎鈴木光司)

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