新成人の裁判傍聴 晴れの舞台に“前科”を背負う者たち 与えられた「自由」の代償とは
傍聴の際に取っているメモには彼の第一印象が、
「ガラ悪いガキ。いかにもヤカラ。半グレ」
と書かれています。いくら個人的なメモとはいえ、大人の方に対して「ガキ」と書いてしまったことは失礼だったなと反省しています。
彼の大人デビューとなった罪名は「千葉県青少年健全育成条例違反」と「職業安定法違反
」でした。
彼は高校中退後、実家を出て建築会社で働きはじめました。しかしそこはすぐに辞めてしまいました。建築会社の社長から、
「息子さんが最近仕事に来てないです。どうもスカウトみたいなことしてるらしい」
と連絡を貰った彼の父親はすぐ息子の暮らしている家に向かいました。
「会いに行ったら髪も金髪になってて、マトモじゃないと思いました」
このあとすぐ実家に連れ戻された彼ですが、しばらくして今度は、
「バーを友人とやる」
などと言ってまた家を出ていきました。
もちろんバーなどやるわけがありません。当時まだ未成年だった彼は汗水流して働くのはイヤだったのです。彼はまた悪い友人に誘われてスカウト業に戻りました。
そして令和元年10月10日。友人の紹介で当時17歳だった少女Aと知り合いました。2人は酒を呑みに行き、そこでAが、
「帰りたくない。泊まりたい」
と、ガキならではの雑な誘いをかけてきました。しかし彼も当時はガキです。2人はさっそくホテルに行きセックスをしました。この時点で青少年健全育成条例違反の構成要件が成立です。
参考記事:風俗とデータ入力の仕事では賄えず… 男性アイドルを追いかけるため盗みを働いてしまった女の裁判 | TABLO