新成人の裁判傍聴 晴れの舞台に“前科”を背負う者たち 与えられた「自由」の代償とは

その後、2人は2回会っていますがその時はセックスはしていません。Aは彼と交際したいと思っていたようでしたが、彼はAと交際をするつもりはまったくありませんでした。にもかかわらず彼はAに対してラインで「好意を持っているかのような」メッセージを送っていました。

スカウトの仕事としてどこかに斡旋しようと思ったからです。A自身も、

「お金に困ってる。何か仕事があれば稼ぎたい。できたらガルバ(ガールズバーの略)で働きたい」

などと口にしていました。そこで彼は「カサイ」という人物に連絡を取りました。カサイが運営していたのはガールズバーではありません。いわゆるJKリフレと呼ばれる業種です。そもそもまともなガールズバーが17歳を雇うはずもないので、斡旋先は自然とこのような場所になってしまいます。

「オレの色恋に引っかかってるんで大丈夫です。まかせてください」

ガキの分際で何をつけあがっていたのかは知りませんが、このようなふざけたメッセージをカサイに送り彼はAを売り飛ばしました。こうして職業安定法違反も成立しました。

 

その後、Aは1人の男性客と「裏オプ」でセックスをした後、被害申告をして事件は発覚しました。

「気があるように見せかけて私を騙してJKリフレに紹介されました。気持ちをもてあそばれました。絶対に許せません」

と供述しています。

Aは知るよしもないと思われますが、カサイからスカウトバックとして彼に支払われた金額は1000円でした。