1996年から所持していたパソコン10台を振り返ってみた ベストは「Let‘s note」 ワーストは…|中川淳一郎

「あのな、今はモデム内蔵PCがええねん。Aptivaはモデムが内臓されてるからインターネットに繋げることができるねん。これにせぇ。あと、パソコンってもんは、常に新しいものが出るけど、『その段階の最高スペックのものを買え』」

この助言に従い、モデム内蔵(って若者には意味分からないかも……。要するにインターネットに接続できるPCという意味)のAptivaを24万8000円払って購入した。結局友人が言うところの「モデム内蔵だとネットが繋げる」の意味は当時はよく分からず、プロバイダと契約することもなくこのAptivaは結局はワープロとエクセルと内蔵ゲームをするだけの機能しか使わなかった。

だが、フロッピーディスクに保存するワープロで原稿を書くよりもハードディスクに文章を保存できることは圧倒的に優れていたため、プリンターを購入し、レポートや年賀状、そして卒論はこれで書くことができた。広告会社の新入社員として研修期間中に各部署の課題を提出するにしても、当時PCとプリンターを自宅に持っている者はあまりいなかったため、私は活字で印刷したテストの課題を出すことができた。

そうしたこともあり、希望した部署の試験ではどうやら全体で1位になれたようで、その部署への配属となった。本当は別部署を希望していたものの、その部署も第3希望の第3位に入れていたため、配属となった。

これが1997年頃のPCをめぐる風景だったが、その後、どんな大学生でもPCは使いこなすようになった。

 

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