就寝中の女性(17)の部屋へ侵入・盗撮・身体への接触… 彼女が目を開けなかったのは「家族」の関係が壊れてしまうから……|裁判傍聴

彼は自分の行為が被害者にどんな影響を与えるかについてあまり考えてはいなかったようです。もちろん、少しでも考えていればこのような犯行に至るはずはないのですが、それにしてもあまりに無頓着でした。

「(犯行時は)被害者は寝てると思ってました。気づかれてないと思ってたので傷つけてしまうとは考えてませんでした」

気づかれていないから大丈夫だと思っていたのです。

自分の娘を1人の人格のある人間として尊重していたとは思えません。「父親」から性的に利用され消費された経験は被害者の心に一生消えない傷を残しかねないものであり「考えてませんでした」ということ自体があり得ないのです。

彼は今後は実家に戻って暮らしていくそうです。

彼の母親は息子のしたことを知りながらも拘置所へ5回も面会に来てくれました。

「家族」を壊した彼にも心配してくれる「家族」はいます。

裁判では彼は自分を偽り続けました。しかし実家に戻れば彼は否が応でも「家族」とは何なのか、という問いを突きつけられることになります。その問いに彼が自分なりの答えを見いだし自分が壊したものが何なのかを知った時、その時から本当の意味での償いの日々は始まります。(取材・文◎鈴木孔明)

 

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