自宅待機で連ドラ需要が高まる 再放送して欲しい作品は? 『一つ屋根の下』か『池袋ウェストゲートパーク』か いやいや『恋ノチカラ』でしょ|中川淳一郎

堤真一:男っぽくて朴訥で一本気
深津絵里:のほほんとしており、いじられキャラ。悩みはありつつもそこそこ幸せ
坂口憲二:モテ男で素直かつ情熱がある
西村雅彦:冷静で淡々と仕事をこなすが愛想が悪い
矢田亜希子:ひたすら心が美しく優しい

まぁ、こんな感じである。このドラマについては、「広告代理店を辞めた男」という点で共感できたのだ。私はこの前年に広告会社を27歳で退社していた。もちろん、堤は敏腕クリエーターで私はヘッポコプランナーという違いはある。堤は自らの事務所を複数名で立ち上げるが、私は一人ぼっちだった。そんな違いはあれど、随所に広告業界の細かい部分が描かれており、「あるあるww」などと楽しめたのだ。

ドロドロの恋愛は特になく、本作品は各人が回を経る度に変わっていく様が楽しい。最初はダメダメOLだった深津がけっこう積極的にアイディアを出していく様や、坂口が堤の立場を追い越しかねない状況になったり、堤が自信を喪失していく様などがリアリティがあり、自分事化できるのだ。

 

まさかの西村雅彦が……

そして、本当にイヤなヤツだと思っていた西村雅彦が途中からは実に頼りがいのある営業マンになり、妨害役から重大な支援者になるところもイイ!

だから私は「No.1ドラマを言え」と言われたら『恋ノチカラ』と言う。このドラマについては後日譚があり、2014年頃、行きつけのスナックのカウンターで何人かで飲んでいた。こちらは仲間内で来てワイワイやっていたため、L字型カウンターの短い方のカウンターに注意を払っていなかった。私は一番左側の椅子に座っていたため、右側ばかり見ていたというのもある。