フィリピン潜伏の地面師・カミンスカス操が帰国後逮捕 犯罪者はなぜマニラを目指すのか|比嘉健二

大家族で暮らすフィリピン人は未だに圧倒的に多く、兄弟が7〜8人はざらだ。そしてその中に、薬中、麻薬の売人、バクラ(ゲイ)、トンボイ(レズ)、身障者。ハンディキャップを背負った身内が必ずいる。

「お兄さん、麻薬の売人、でも優しいよ、お母さん大事にしてるし、今は刑務所ね。でも、早く会いたいね」

自分及び家族に優しければ、そのハンディはまったくマイナスではない。ここに犯罪者は惹かれていき、気がつけばマニラで女の庇護のもと逃亡も可能になる。

マニラの取材中、どうみてもヤバそうな日本のオヤジとアイドル並みに可愛い現地のフィリピーナが仲睦まじくランチをしている光景を何度見た事か。

カミンスカスは2ヶ月の逃亡生活にピリオドが打たれたが、おそらく最後は心を許したフィリピーナと束の間の享楽を堪能したことだろう。

ただし、金の切れ目はとたんに寝返りされることも心して……。(文◎比嘉健二 元「GON!」「ティーンズロード」等編集長 現・V1パブリッシング社長)

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