70歳男性がピースボートで出会った様々な熟女と… 破天荒な人生を送ってきた男の純愛物語「セルロイドの海」

平野さんは西欧人のような顔立ちをしていますし、さぞかしモテていたのだろうと想像がつきます。さらに下衆な話ですが金銭的にも裕福だ、と。つまり、まだモテ要素が残っています。

平野さんは、ピースボートで様々な女性に声をかけます。船内ではちょっとした有名人だったようです。声をかけらける女性は熟女(「熟女」と「おばさん」は違うがその解釈はまたの機会に)と言われる女性たちです。

 

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突然ですが、僕は熟女好きを20代の頃から公言をしていました。が、その熟女というのは若き日の五月みどりや映画「白蛇抄」で濡れ場を演じた小柳ルミ子といった「分かりやすい」女性を指していました。その会話は「熟女の旅」(松沢呉一著 ポット出版)という本になりました。

あとがきで、編集者でもあり当時、テレビのワイドショーの司会をしていた亀和田武さんは山田五十鈴が熟女として良いと仰ったようです。それを聞いて、まだ20代後半の若僧だった僕は爆笑してしまいました。「お婆さんじゃないですか」と。今思えば何と愚かな発言でしょう。亀和田さんは僕の反応に対して「彼はまだまだ」と言ったと聞いています。本当にその通りです。

女性の色気は年齢ではありません。心根の優しさにあるのではないでしょうか。その優しさと人としての魅力は外見に表れると、思っています(男性にも言えますが)。つまり、熟女が好きという人は女性の美しさの芯の部分をちゃんと見ている、という事にほかなりません。

平野さんは、そのあたりをご自分の年齢とか重ね合わせて見られているのでしょう。平野さんの文章を読んでいて気がつくのが、「ご自身の年齢」について、です。今が楽しいというより「もういつ死んでもおかしくない年齢」と言ったマイナス的記述が出てきます。

恐らくですが、20代は学生運動、30代はライブハウスを通して、音楽や文化と表現が難しいですが「喧嘩」しながら突っ走ってきた半生に由来しているのではないでしょうか。燃え尽き症候群なのか、とはたから見て心配しましたが「ピースボート」で「恋愛」という新たな喧嘩相手を見つけたようです。

 

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