平成にコロナ禍が起きていたら どんな「巣ごもり」をしていたか 『電波少年』『スーファミ』『セクシービデオ』…|中川淳一郎

かくして『電波少年』を食い入るように皆で見るのである。21歳にもなって必死にテレビを見ていたのだ。

もう一つのスーパーファミコンだが、人気があったのが「ぷよぷよ」と「スーパーフォーメーションサッカー」「ストリートファイターII」だ。4人が集まったら3組の対戦パターンがあるわけで、強いヤツ、弱いヤツというものは大体分かるようになっていく。最後の方は最も強いヤツと次に強いヤツばかりがやるようになり、取り残された2人は酒を飲みながらだべるだけとなる。いつしか眠くなっていき、布団をかけるでもなく4人はその場で雑魚寝をする。朝、挨拶をするでもなく起きた者から順に帰っていくのである。

かくして無駄と怠惰以外の何物でもないような大学生活を送っていた我々だが、一度あったのが「男5人でAVを見る」という謎の会だった。最初は「こんな状況なんてねーよ!」なんて笑い合いながら見ていたのだが、いつしか皆黙って画面を眺めている。恐らく全員の下半身が怒張していたと思うのだが、誰も手を動かすでもなく蛇の生殺し状態になっていった。

舞台はとある農家。父親と息子と2人だけで住んでいるのだが、そこに息子の新妻がやってくる。3人での同居が開始するのだが、ある日、農作業から戻ってきた父親は息子と嫁がエロ行為をしている姿を目の当たりにしてしまう。「オォォ!!」と仰天する父親。息子夫婦はその場で行為をやめるのだが、父親はこの時のショックでEDになってしまう!

そこからいくらエロ本を見ようがAVを見ようが父のEDは治る気配も見せない。焦り始めた父親は「記憶喪失を治すには、その時と同じ衝撃を受ければいい」という説と同様の治し方があるのでは、と考える。そこで息子夫婦にこう言う。

「ワシがこんな状態になったのはお前達のせいだ。ワシの前でもう一度同じことをやれ」

かくして2人は全裸になり、父親の前で三つ指ついてお辞儀をし、「それではこれから始めさせていただきます」と行為を開始する。腕組みをしてじっと見つめる父親。2人の行為が激しさを増していくと父親は突然「オォ!」と叫び声をあげ、こう続ける。

 

関連記事:自宅待機で連ドラ需要が高まる 再放送して欲しい作品は? 『一つ屋根の下』か『池袋ウェストゲートパーク』か いやいや『恋ノチカラ』でしょ|中川淳一郎 | TABLO