「中国から逃げろ」!? 脱中国に日本政府が補助金を支給 すでに87企業が脱出成功 製造メーカーは日本回帰と東南アジアへ

写真はイメージです

 

〝世界の工場〟が終わるかもしれません。

 

これを聞いて「何のこと?」と思う人がほとんどでしょうが、この〝世界の工場〟とは「中国」のこと。安くて豊富な労働力や広大な用地を求めて世界各国の製造メーカーが進出し、いまでは鉄鋼や化学、機械などの工業製品全般で圧倒的な生産高を誇っています。つまり世界の工業製品は完全に〝中国頼り〟だったわけですが、その状況を変えるべく世界が動いているというのです。

 

2020年4月7日、日本政府は「2020年度予算補正予算案」を決定しました。その内容は新型コロナウイルスの感染拡大を受けての経済対策的な意味合いが色濃く、そのなかに「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」として2200億円、「海外サプライチェーン多元化等支援事業」として235億円を計上しています。これらは新型コロナウイルスの感染拡大で、主に中国などに依存していたマスクや医療品、部品や素材などの供給が滞ったことを受けて、既存の生産拠点を国内に回帰したり(こちらが2200億円)、アジア諸国に分散(こちらが235億円)しようというもの。もっとわかりやすく言うと、日本国内に工場をUターンさせたり、指定した東南アジアに海外拠点の工場を移転したら補助金を出しますよということです。

つまりはサプライチェーン(部品供給網)の〝脱中国〟を意図したわけですね。

これまでも世界的に〝中国頼り〟という状況を懸念する声はありましたが、日本では中国に対して弱腰ということもあって楽観的な姿勢を見せていました。しかし、新型コロナウイルスという予想外の事態に直面して、ついに「これはマジでヤバイかも?」と思ったのではないでしょうか。

 

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