マッサージと復讐が合体した異色ギャグ漫画 最新刊『ケンシロウによろしく』(「ヤングマガジン」連載中) 「鬼才」ジャスミン・ギュ先生インタビュー
――今は調子は?
「『ケンシロウによろしく』は完全なギャグ漫画ではないので。ちょっと自分としては新しい挑戦なので色々とストレスになる事はあります」
――では、ギャグとヒューマニティの要素を入れているのですね。
「そうです。この作品は半分、ヒューマンストーリーのつもりで描いています。でもずっとぶっ飛んだギャグ漫画を描いていて暴走しがちなんですよ。悩ましい所です。もっとヒューマン要素を入れて行きたいですね。まぁたまに暴走してもそれを『味』だと思っていただけたら幸いです」
●「ホラー好きでジャケ買いした人はごめんなさい(笑)」
――漫画家になるまでのプロセスを教えてください。
「京都精華大学でストーリー漫画学科を卒業して東京に出てきました。で、東京工芸大学の研究生だったんですけどその時に講師に来ていた人がヤンマガの人で、新人賞に応募してみないか、という事で応募して賞を取ったのがきっかけです」
――それがプロデビューですか?
「はい。短期連載でした」
――アシスタント経験もあったんですよね。
「『怨み屋本舗』の栗原正尚先生の元でやっていました」
――で、『バックストリートガールズ』で長期連載と。
「そうです」
――そう言えば、その時にジャスミン先生に『ヤクザを漫画にして怒られませんか』と僕に聞かれた事があります。
「ああ、そうでしたね(笑)」
――特定しなければ大丈夫ですよ、あの業界は。ギャグ漫画に対して怒るような人はあまりいないですね。
「そうですね。しかもヤクザが性転換してアイドルになるって……。リアルさゼロの漫画に怒るわけないですよね」
――作画で難しい事ってありますか?
「女性キャラは難しいですね。あと、指圧とは言っても医療にあたる所もあるので気をつけないと、と思っています」
――『バックストリートガールズ』のヒットで生活が変わったりしました?
「いやあ。ほとんと変わってないです。食べたいものが食べられるだけでいいと思っているので(笑)」
――お酒は大丈夫ですか? 以前、夜中に居酒屋に呼び出された事がありましたけど。
「ははは。あの時は本当にすみませんでした(苦笑)。確か、うちのスタッフと悩み相談で飲んでいて……。自分より人生経験豊富な方に相談してみる? という流れでしたね……。今は控えています(笑)」
――飲みすぎには是非気を付けて頂いて、作品を描いていって皆さんを楽しませてください。今度の展開を読者の皆さんに。
「『ケンシロウによろしく』は主人公『沼倉』の人間的な成長の物語なんですけど、復讐もありますし、恋愛になるかも知れません。いくつかのストーリーが重なっているのでだんだん面白くなると思います。もちろん基本はマッサージギャグ漫画なので気軽に楽しんでいただければ幸いです。……この単行本の表紙を見たらちょっとホラー漫画っぽいじゃないですか。ホラー好きな人はジャケ買いしないでくださいね(笑)」
※『バックストリートガールズ』での『ゴクドルズ』にハマった読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。あの衝撃の長期連載デビューから二年。『ケンシロウによろしく』でもジャスミン先生の世界観は見られます。『ケンシロウによろしく』をよろしくです。(文・久田将義)
参考記事:ケンカ最強の漫画家は誰だ!? 一位はヤンキー漫画の代表作を描いた、あの先生! 常に「武器になるモノを確認」する武闘派? | TABLO