「帰るわけにはいかない…」 外国人技能実習生が日本で稼げなくなったら“やること” これが『先進国』の姿なのだろうか
帰れるはずがない
寮から逃げ出した後、彼は大阪の簡易宿泊所で寝泊まりをしながら引っ越しや建築現場など日雇い仕事を転々とするようになりました。
もちろんそんな不安定な就労形態で充分なお金を稼ぐことなどできません。食べていくだけで精一杯でした。
こんなはずじゃなかった…。
そんな想いが何度も頭をよぎりました。
ただ家族を幸せにしたくて、ただ幸せになりたくて、それで日本に来たはずでした。しかし思い描いていた未来と現実はあまりにもかけ離れていました。それでも彼は入管に出頭するなど帰国するために動くことはしませんでした。できませんでした。
その後、彼はSNS上で中国人のコミュニティーを見つけました。そこで知り合った中国人が仕事を紹介してくれると同時に偽造在留カードも作成してくれました
このカードを持って上京し仕事の面接を受けた際に、偽造であることが見抜かれて彼は逮捕されました。逮捕された日付は令和2年5月です。約1年半のオーバーステイでした。
彼が法を侵したことは事実です。
しかし、彼が「罪」を犯したとは私にはとても思えません。
最後に紹介しますが、厚生労働相HPによると
「外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う『人づくり』に協力することを目的としております」
ということです。(取材・文◎鈴木孔明)
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