セクシービデオと現実を混同!? 痴漢の常習犯が語る何をしても脱け出せない “沼”|裁判傍聴
犯行動機について、
「被害女性の気持ちはまったく考えてませんでした。痴漢モノのAVが昔から好きで、自分勝手な気持ちで突っ走ってしまいました」
と話した彼に弁護人が問いかけました。
「そんなAVみたいなこと、現実にあると思いますか? 痴漢されて喜ぶ女性が実在すると思いますか?」
その問いへの答えです。
「頭の中で現実とAVを混同してしまったと思いますが…でも今まで女性と付き合ったことが1度もなくて…」
たとえ女性と交際した経験がなくてもAVの世界と現実の違いくらいはわかりそうなものです。しかし、58年間ずっといわゆる恋愛市場から弾かれ続けた男性の認知がどのように歪み変遷していくのか、それは他者が簡単に想像しうるものではありません。
彼もただ、漫然と欲望のままに性犯罪を繰り返してきたわけではありません。彼も彼なりに痴漢をしてしまう自分を持て余し悩み、周囲に助けを求めてもきました。具体的に言えばNPO団体に相談に行ったり、病院に通ってカウンセリングを受けたりはしていたのです。性欲を抑える薬も服用していましたが効果はあまりありませんでした。