61歳のビキニ姿 宮崎美子「いまのキミはピカピカに光って♪」が放送された昭和は“まだ”日本が牧歌的だった頃|中川淳一郎

何とも言えない味を出していた昭和のCM

2014年、キリンビールの缶チューハイ「本搾り」のCMに登場するカエルがかわい過ぎるということで未成年の飲酒を誘発しかねないと批判された。結局このCMはお蔵入りに。

私が小学生の頃流行っていたCMはサントリーの酒類のCMだった。「カールおじさん」のイラストで知られるひこねのりお氏が描く「サントリー缶ビール」のCMに登場するペンギンや、「タコハイ」のCMに登場するタコは子供達に大人気だった。子供達から親近感を抱かれたことは認めるものの、果たして未成年の飲酒を誘発しかねない、という批判が社会問題化されたかといえばどうだろうか。そういった声はサントリーに寄せられたかもしれないが、抗議に屈してCM打ち切りとはならなかった。何しろ人気シリーズなので何本もCMが作られたのだから。

幼少期の記憶の方が鮮明、というのはあるものの、結局今でもCMソングや決めゼリフがスラスラと出てくるのは昭和のCMである。当時の小学生に人気だったCMを振り返ろう。

 

「ちゃっぷいちゃっぷい、どんとぽっちい」(大日本除虫菊[キンチョー]「どんと」)

携帯カイロのCMなのだが、縄文人のような男が「ちゃっぷいちゃっぷい」と言い、もう一人が「どんとぽっちい」と言う。私の通っていた学校は冬でも長ズボン禁止だったため、休み時間はどいつもこいつも「ちゃっぷいちゃっぷい」「どんとぽっちい」をそこかしこで言っていた。

 

「幸せってなんだってなんだって、ポン酢醤油のある家さ」(キッコーマン「ポン酢しょうゆ」)

これは明石家さんまが軽快に歌いながら踊るCMだったのだが、まさに流行歌のようになっていた。踊りもキチンとつけつつ、最後まで歌うのが流儀であった。ポン酢しょうゆがない家は不幸だと思ってしまった子供達は「さんまのポン酢しょうゆ買って!」と母親に言うも「ミツカンの『味ポン』があるからいらないの!」と反論され「やだーやだー、キッコーマンがいい!」とダダをこねていた。

 

「お湯をかける少女」(ハウス食品「ハウスヌードル303」)

いかにもマイナーなハウス食品のラーメンが奇策に出た。お湯をかけるだけで食べられる袋入り麺といえば、チキンラーメンの牙城だったが、そこに殴り込みをかけたのが「303」だった。原田知世主演『時をかける少女』が話題となったが、303のCMでは工藤夕貴がヤカンを持って走って来て「おー湯を、かけーる少女」のBGMが流れる。「かけーる少女」は『時をかける少女』の主題歌とメロディを変え、パクリ度合を少しでも弱めようとする健気さがあるCMだった。

まだまだ思い出が止まらない昭和のCMたち

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