『共演NG』(テレビ東京系)が好スタート 芸能界だけではないメディア人たちの「共演NG」に要注意|久田将義

「芸能リポーターの井上公造さんは日本テレビ(読売テレビ系列)で重用されていますが、数年前ある売れっ子アイドルが『そんな芸能人ばかりを追いかける仕事していて何の意味があるんですか』と冷ややかに言い放った事がありました。あの人と共演したくない、というタレントは多いと思いますよ」(週刊誌記者)

このように芸能人同士ではなく、芸能リポーターと芸能人という関係でも「NG」はあります。

サブカルの世界に目を向けてみましょう。1990年代サブカルには「NG」が結構ありました。僕の周辺では宅八郎氏と中森明夫氏という犬猿の仲がありました。お互いアイドル評論家ではあるのですが、90年代に中森氏が宅八郎氏と仲の良いライターA氏に公開討論を挑んでみたものの、こてんぱんにされてから全く接点はなくなりました。もっとも宅氏は小林よしのり氏や田中康夫氏など全方位的に喧嘩を売っていくので、編集者も腫れものでも触るかのような扱いでした(僕も宅氏の攻撃で十二指腸潰瘍をやられました)。

アウトローの「共演NG」というものもあり、これは一番気を付けなければなりません。下手をすると洒落にならない事態が起きるからです。

20年以上前の映画ですが「代打教師、秋葉真剣です」という作品がありました。主演は吉田栄作。不良生徒たちをまとめる熱血教師役でした。そこに出てくるエキストラについて、那須博之監督は「本物の暴走族」を連れてきてしまったのです。一方は、関東連合。一方は全日本狂走連盟。完全に敵対している暴走族がエキストラですから現場はかなりまとまりがつきませんでした。

当時、出演していた元俳優の山本太郎氏(現・れいわ新選組代表)に聞いたところ「エキストラ同士、喧嘩ばっかりしていた」と苦笑していたのを覚えています。リアルを追求したのでしょうが、ガチ過ぎても良い事がありません。

参考記事:宅八郎氏というトラウマ|久田将義・連載『偉そうにしないでください。』第七回 | TABLO