迷惑系YouTuberたちへ あなたたちは裏社会の本当の怖さを知らない 生きて帰れただけで幸せ者|久田将義

「警察、上等。今から逮捕されに行くから。刑務所で二年務めてたあとお前のところに行くから」。そういう言葉を口にする「モノホン」がいるので本当に、気を付けて頂きたいのです。

こんな体験を記しておきます。

僕が「実話ナックルズ」(大洋図書。当時はミリオン出版)の編集長だったとき、こんな目に遭いました。ある記事についてヤクザから抗議がきました。話し合いで終わりつつあったのですが、その晩、僕の携帯に違うヤクザから電話がかかってきました。拙著『トラブルなう』(大洋図書)で収録していますが、加筆再録してみたいと思います。

ヤクザから電話があった時、反射的に録音の用意をしていました。もちろん、向こうはそういう事を知っています。朝まで怒鳴られました。こんな具合です。

「今から出てこい! お前、散々言うてくれたのぉっ。ナメとったらあかんぞっ。編集長だか何だか知らんが今からワシが言うこと録音せい。これは恐喝や! それで警察行け。それでワシをパクらせろ。恐喝で2、3年務めてくるわ。それで出てきたらお前を殺す! それでワシの男が立つんやっ。な、頼む! 警察行ってお前を殺させてくれや。頼むわ!」

僕は自分で、顔から血の気が引いていくのが分かりました。これを朝方までずーっとやられてみて下さい。電話だからまだマシだったものの、相対していたら立っていられなかったかも知れません。

動画だろうが録音だろうが、「証拠です」と言えば引くような相手は素人です。堅気です。「逮捕上等だ」。イケイケはこのくらい言います。親分クラスになると(と、いうかそういう人はYouTubeに登場しないと思うが)さすがにこういった対応ではなく、その子分が対応すると思われます。

くれぐれも裏社会に取材する際は潜入など(台本ありは別)はやめてください。「いや、お前が臆病なだけだ」と言う人もいるかも知れません。どうぞご勝手に。僕がYouTubeをやるとしたらそういう取材は絶対しません。(文◎久田将義)

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