コロナで人に会えなくて辛い そこで「ジモティー」をやってみたら、来た人々がすごかった|岡本タブー郎
そこで、思い付いたのが、直接会って不用品をやりとりできる「ジモティー」をやってみようということでした。
メルカリやラクマとは違い、ジモティーは会ってやりとりすることがメインに設定されているアプリです。もちろん遠方から送付したり、決済することも可能ですが、引越しで不要になったものを取りに来てもらい、双方が「良かったね」という結論が出せることが特徴となっています。とにかく誰かに会わなければいけない、会って刺激をもらわなければいけない。ある意味「職業病」のような発作が出てしまい、一見無意味に思えるような行動に出てしまったのです。
まず、私は自分の部屋で目に入った家具を片っ端から写真を撮っていきました。ひと家具に付き5枚です。自分が使っている目の前のデスク(無料)、冷蔵庫(2,000円)、洗濯機(2,000円)、ソファ(3,000円)、ラック(1,000円)、無印良品の収納ケース(2個で500円)、PCモニター(無料)、今座っている椅子(2,000円)、掃除機(1,000円)、アレクサ(500円)………冷静になっている今だから言えます、値付けがおかしい、と。
ジモティーは無料であげる人も多いことから、メルカリやラクマとは別種の層の人々がいる特殊アプリです。私が無料で出したものはもちろん、値付けがおかしすぎる激安の家具も、驚くほどの人数から閲覧されていました。
「すごい……なんだ、このアプリ!?」
自分の値付けがすごいことも知らずに、私はジモティーにハマりました。前から知っていたにもかかわらず、「客層がなあ…」などと勝手に判断して敬遠していたわけですが、コロナのおかげで新しい世界を見ることが出来たのです。
ジモティーからやって来た人々
前述したように、ジモティーは無料の商品もあるため、トラブルもまあまああるようなアプリです。当然、私はそこにも期待していたわけです(ネタになるし)。予想通り、届いたたくさんのメッセージの中には、日本語とは思えないような「絶対この人ヤバいじゃん」というものも紛れ込んでいました。
ただ、たくさんのメッセージを読んでいるうちに、みなさんがジモティーを真面目に生活の糧として使っており、真剣にメッセージを送ってきているということが分かりました。
「私はシングルマザーで子どもに机を買ってあげられないので是非ゆずってください」とか「アレクサというものを使ってみたいのでお願いします」とか「こんな収納ケースが欲しかったのでお譲りください」などといったメッセージが届きます。
机なんて、今Amazonを覗けばとても安く買えるのに、無印良品だけど汚れているケースなのに、ですよ。みんな本当に困っているんだ。お金がなくて人からもらうことに必死な人もいるんだ。新品を買っても数千円しか違わないのに汚れている方を選ぶのか。
私は無性に、この人たちに親切にしたい…そう思い始めていました。