実は「日本語がペラペラ」だった韓国の大統領
現在は韓国の政界から官界までを見渡しても、日本語の話者はごくごく少数派に過ぎないだろう。
文在寅大統領は今月1日、日本による植民地支配に反対し朝鮮半島の民衆が立ち上がった「3.1独立運動」の102周年式典で演説し、「日本との対話の用意はできている」と呼びかけた。だが周知のとおり、日本政府は徴用工判決や従軍慰安婦問題で韓国が「適切な対応」をするよう求める原則論で応じ、事実上、文在寅氏のメッセージをスルーした。
果たして文在寅氏が、日本との関係修復にどれだけ本気なのかは不明だ。しかしこの件に限らず、日本に向けた韓国からのメッセージは、日を追うごとに空虚さを増しているように感じる。さらに言えば、筆者も日本語と韓国語のバイリンガルだが、この空虚さを韓国側に伝えようとしても、聞き入れてくれる素地すらないように感じられてもどかしい。
思えばかつての韓国は、世界最大の「日本専門家」集団だった。朝鮮半島を併合、支配した大日本帝国は現地で日本語教育を行い、その時代に育ったエリートの多くは日本の大学に留学した。出世を夢見るなら日本語能力と、日本語による知識が必須だった時代があったわけだ。
一方、日本人にとって朝鮮語(韓国語)は必須ではなく、一部の専門家が理解できれば十分だった。それでも、朝鮮半島を支配下に置いていた時代には、その専門家もそれなりの数に上ったろう。しかし敗戦とともに、その必要性も急激に薄れた。
冗談も日本語で
ちなみに、朝鮮半島の北半分、つまり現在の北朝鮮はどうか。