清原和博氏のタトゥー除去問題を考える KK世代と呼ばれた人間として│久田将義

それと比べると清原さんは少年に画面越しにも伝わる、優しさで技術を「さすが誰かが50年に1人出るかでないかの天才と言われただけあるな」と視聴していました。
清原さんの更生はここにあるのではと感じました。最初は前記のように「六本木? テレビディレクターと組む? 大丈夫?」と思ってはいましたが。

しばらくして、清原さんがタトゥー除去手術に踏み切るという報道がありました。足と背中から胸にかけて龍の刺青が入っているはずです。これはずいぶん前から僕は気づいていました。あるスポーツ番組で清原さんが肩のあたりにテーピングをしていたのを見て、「ついちゃったんだな(つく=刺青を入れる)」と推測しました。結果当たっていた訳です。

テーピングで隠したり、最近はパウダーで格闘技選手がタトゥーを隠して試合をしています。僕はタトゥーや刺青は想いがあっていれているものだから、いったん入れたらよほどの事がない限り消さなくてもいいのではと思っている派です。

ただし、インタビューをした事がありますが元プロボクサーで元ヤクザだった大嶋宏成さんの例があります。大嶋さんは、和彫りだったため、ボクシング協会からダメ出しをくらいレーザーと皮膚移植でヤクザ的部分の胸の刺青だけを除去しました。これはこれで、ボクシングにかける意気込みをリスペクトしたいと思います。

清原さんは少年野球の指導が合っているのではいかと、『清スポ』を見て感じました。それほど子どもに対して優しさと、技術を伝える上での分かりやすさが見ているこちら側にも伝わってきました。思わず「いいね」ボタンを押しました。

なので、脚に刺青が入っているのを見たら、普通の野球少年の父母は抵抗感を抱くでしょう。どうしても見てしまう場所です。刺青に関して言うと僕が取材したヤクザに言わせると「自己満足の世界。ヤクザなら隠すもの。出している子らはヤクザじゃないでしょ。いいんじゃないですか」という考えでした。

清原さんがどういう思いで入れたか分かりません。ハッキリ言って、その頃はイキっていたのだと思っています。因みに、僕は清原さんと同年代なのでKK世代と言われていました。彼の逮捕後はそういわれるのが嫌でした。が、『清スポ』を見て、それほど捨てたものではないと感じました。単純なのかも知れません。けれど少年に対する清原さんの誠実さは本物だったと受け止めています。

除去するなら入れるな。そう思う人がいてもおかしくありません。が、今回はお母さまと盟友佐々木主浩(言わず知れた名クローザー)との約束があると言う事です。

写真はイメージです。

僕はそれだけではないと思っています。これからのNPBを背負うであろう、あるいは野球から離れて別の道を行く少年たちに少しでも清原さんの『清スポ』での優しさと技術論を伝えるために必要なのだと考えています。
タトゥー愛好者、刺青を既に入れている人からすればガッカリするかも知れません。けれど元刺青ボクサー大嶋宏成さんの例もある訳です。

清原さんが少年たちに教えたのではなく、「野球少年が清原さんに」第二の人生の進み方を教えてくれたのかも知れません。(文・久田将義)

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