ワクチンもPCRもなし 炎天下に立たされ続けた東京オリンピックの警備員たち 告発「わたしたちは人間ではないのか」
7月23日、新型コロナの感染拡大に伴って発令された緊急事態宣言下で東京オリンピック2020大会が始まりました。不透明な資金繰りや大会関係者の差別発言など多くの問題が指摘され開会式直前にも小山田圭吾氏やのぶみ氏の辞任といったゴタゴタがあった中、多くの人の「中止するべきだ」という声を無視して強行されたオリンピック。大会が始まってから報道は日本人選手の活躍一色に染まっていますが、その裏側はどうなっているのでしょうか。
炎天下、誰も来ない駐車場に立つだけの仕事
6月の後半からオリンピック施設の警備員として働いている方にお話を伺いました。都内在住の男性で、普段はスーパーなどの商業施設内でやはり警備員として仕事をされている方です。開口一番に口にしたのは「早く終わってほしい」という言葉でした。
「拘束時間が長いのがとにかく辛いです。オリンピック施設は24時間警備なのですが、それを2交代で回しているので12時間勤務になります。日勤の時はこの暑さの中で日陰もない場所でずっと立ってないといけないので…。交代で休憩は取ってますから12時間立ってるわけではないですけど『危ない』と感じることはたくさんあります。実際に体調を崩した警備員もいるみたいです」
オリンピック招致の際には「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」と嘘をつきながら、暑さ対策を何一つ講じてこなかったしわ寄せは選手のみならず警備員や関係者にも及んでいるようです。
「夜勤も入ることもあります。暑さに関してはマシなものの夜勤も辛いです。そもそも日勤と夜勤が入り交じるっていうシフトがすごく辛くて…生活リズムも何もあったものではないです。だからオリンピック警備が始まってからは常に寝不足の状態で働いてます。私は夜勤では関係者用の駐車場に配置されることが多いのですが、一晩立ってて車両が1台も出入りしなかったこともあります。『いる意味あるのかな』とか『俺は何やってるんだろう』とか考えはじめてしまうと、心が削られてくるんです。そんな駐車場なら夜間は閉鎖してしまえばいいと思うんですが、どうもそういうことはできないみたいです」
この炎天下での長時間拘束、そして日勤と夜勤が入り交じる勤務シフト、それは身体だけでなく心をも蝕むもののようです。車両が1台も出入りしない真っ暗な駐車場で1人ポツンと佇む警備員の姿には哀愁が漂っています。
今の時期に熱中症の危険があるのは当然として、感染が急拡大している新型コロナへの対策はどうなっているのでしょうか?
その点に関してもお話をしていただきました。
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